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少年「無罪」で地検の抗告を受理 大阪地裁所長襲撃事件

2008年01月11日

 大阪市住吉区の路上で04年2月、当時の大阪地裁所長(65)が若者グループに襲われて重傷を負い、現金約6万円を奪われた強盗致傷事件で、大阪高裁(大渕敏和裁判長)は11日、大阪家裁から刑事裁判の「無罪」にあたる不処分とされた当時14歳の少年(18)について、「控訴」にあたる大阪地検の抗告受理申し立てを認める決定を出した。高裁は近く抗告審を開き、再び家裁に審理を差し戻すか、抗告を棄却するかを決める。

 少年の付添人の前川直輝弁護士は「少年の無実は、これまでの審理で十分証明されたと考えており、今回の決定は誠に遺憾だ」と話した。

 少年は06年3月、いったん家裁で中等少年院送致の保護処分とされた。少年側の抗告を受けた高裁は昨年5月、「自白の信用性に疑いがある」と家裁決定を取り消し、家裁に審理を差し戻した。差し戻し後の昨年12月の少年審判で、家裁は高裁決定に沿って不処分を決定し、地検が抗告受理を申し立てていた。少年事件では、刑事裁判の控訴と違い、裁判所が検察の抗告受理を認めるかどうかを決められる。

 事件では、今回の少年を含む当時13〜29歳の5人が強盗致傷容疑で逮捕・補導された。だが、全員が「無罪」を主張している。

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