焼津市は15日までに、同市立総合病院(太田信隆病院長、同市道原)の医師が浜松医大の社会人大学院に入学する場合、学費などを公費でまかなう県内初の社会人大学院就学支援制度を設けた。優秀な医師を確保すると同時に、医師の一層のスキルアップを目指す。事務手続きなどを取り決めた協定書を18日、同医大と締結する。 全国の自治体病院が医師不足に頭を痛める中、同病院も3月で退職する循環器科医師4人の後任が見つからず、麻酔科も常勤医師がいないなど医師の確保が懸案となっている。今回の制度は社会人大学院と連動した新たな取り組みとして注目を集めそうだ。 制度では、浜松医大の社会人大学院博士課程の合格者、もしくは在学者の中で同病院の医師として勤務を希望する人に対し、同病院医師の身分を与え、就学を職務命令による派遣研修とみなす。入学金、授業料は市が負担する。市は関連費用を平成20年度病院事業会計予算案に盛り込む。 同病院によると、毎年1、2人の若手医師が大学院入学を理由に退職しているという。一般の大学院は授業や研究が優先され、診療を続けることは難しい。しかし、社会人大学院は診療を続けながら学ぶことができるカリキュラム編成のため、同病院で医療に従事しながら就学することが可能という。 太田病院長は「向学心ある若いドクターの支援は、医療の向上と市民の健康増進に必ず役立つ」と話している。 |