朝鮮王朝実録、400年ぶり再編集へ
朝鮮時代前期の4大史庫である春秋館、星州、忠州、全州の中で全州史庫の朝鮮王朝実録だけが壬辰倭乱(文禄・慶長の役)当時、戦火から逃れることができた。太祖から明宗まで13代の実録で、613冊5万3102ページに達する膨大な記録だ。倭乱後は江華道の鼎足山などに移されたが、現在は宣祖から哲宗までの実録と共にソウル大学奎章閣に保管されている。
全羅北道全州市が今年から2011年まで、文化観光部や全羅北道の全面的な支援を得て、全州史庫に保管されていた王朝実録の復刻版を制作する。原本と同じ材質の紙を使用し、表紙には絹で装飾を施して紋様を刻むことにより、まったく同じ本を制作するという事業だ。
合計10冊の復刻本を制作するための予算は100億ウォン(約11億6000万円)。手で直接すいた伝統的な韓紙に、1枚ずつ文字を印刷して制作するため、多くの費用がかかるということだ。朝鮮王朝実録全体をフィルムとして保管しているソウル大学奎章閣も、事業に協力することを約束した。
まず今年は国の予算5億ウォン(約5800万円)を含む計10億ウォン(約1億1600万円)が投入される。来月中に専門の機関や団体に委託し、まずは太祖から太宗までの実録52冊4800ページの復刻本を制作する。全州の韓紙メーカー11社が、1000年以上保存可能な韓紙を製造する。全北大学博物館のホン・ソンドク学芸研究士は、「朝鮮前期の歴史を見守ってきた全州で、韓紙の本場としての誇りを生かすことのできる仕事だ」と述べた。
事業はユネスコ記録文化遺産でもある実録を、国内の主な博物館や図書館にも保管して一般にも閲覧可能にし、写真撮影や手に取ることもできるようにしたい、という構想からスタートした。市側は復刻本の一部を奎章閣、大統領記録館、国会図書館、さらに復元された全州史庫に保管・展示し、残りは国内の主要な博物館や図書館に販売する計画だ。
全州市の宋河珍(ソン・ハジン)市長は、「復刻本事業の収益金は、朝鮮後期の王朝実録とフランスに奪われた外奎章閣図書など、複数の儀軌の復刻本を全州韓紙で制作するのに用いる計画だ」と語った。
全州の朝鮮王朝実録は、光海君の時代に副本として制作され、春秋館、太白山、鼎足山、赤裳山、五台山のいわゆる後期5大史庫に保管されていた。春秋館本は仁祖の時代にイ・グァルの乱(1624)で焼失し、太白山本は釜山の国家記録院に、赤裳山本は金日成(キム・イルソン)総合大学に保管されている。五台山本は日本に略奪され、その後関東大震災でほとんどが焼失し、東京大学に保管されていた残りは2006年に返還された。
全州=金昌坤(キム・チャンゴン)記者
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