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みずほCB、メリルに1300億円出資で合意
みずほコーポレート銀行(CB)は15日、米証券大手のメリルリンチに12億ドル(約1300億円)を出資することで合意したと発表した。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で損失が膨らんだメリルの増資引き受け要請に応じる。邦銀がサブプライム問題で米欧金融機関を資本支援するのは初めて。海外事業の強化を目指すみずほグループは、今回の出資を機にメリルとの関係を深め、米国での投資銀行業務の拡充につなげる意向だ。
メリルは米国以外の金融機関や政府系ファンドに出資を要請しており、資本増強額は全体で7000億円規模となる見込み。みずほCBは今月中に優先株を引き受け、資本支援に踏み切る見通しだ。
サブプライム問題による金融市場の混乱の影響もあって、米欧の金融機関は軒並み巨額損失を計上。資本の目減り分を補うため、資本増強を余儀なくされている。
メリルもサブプライム関連で約9000億円の損失を計上し、2007年7〜9月期に赤字に転落した。オニール前会長兼最高経営責任者(CEO)は巨額損失の責任を問われ、辞任に追い込まれた。昨年末には、シンガポールの政府系投資ファンドなどから約7000億円の出資を受け入れると発表しているが、同年10〜12月期の決算発表を控えて、第2弾となる資本増強策を検討していた。
みずほグループは今年3月期連結決算で、約1700億円のサブプライム関連損失を見込んでいるが、損失規模が欧米の金融機関よりも小さく財務基盤に不安がないことから、増資に協力することにした。
みずほCBは一昨年末、邦銀では初めて米国で金融持ち株会社(FHC)設立の認可を取得するなど海外営業を強化してきた。今回の資本支援を通じて、一段の国際競争力強化を目指す。
みずほを含む日本の3メガバンクは昨年末、米大手銀が設立を目指していたサブプライム問題対策のための共同基金構想への資金協力要請を断ったが、今回のみずほの資本支援は、他の大手銀行の海外戦略にも影響を与えそうだ。