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山形女子高生自殺:遺族が遺書公表 いじめ再調査を要請

娘の写真を前に語る渋谷登喜男さん=山形県米沢市で2007年11月23日午後4時4分、湯浅聖一撮影
娘の写真を前に語る渋谷登喜男さん=山形県米沢市で2007年11月23日午後4時4分、湯浅聖一撮影

 山形県高畠町の県立高畠高校(山田陽介校長)で昨年11月、2年生の女子生徒(当時16歳)が自殺した問題で、父親が23日記者会見し、本人の携帯電話に残されていた遺書とみられる書き込みの一部を公表、いじめは確認できなかったとする調査結果を出した県教委に再調査を求めた。遺族はこれまで匿名を条件に取材に答えていたが、匿名では説得力に乏しいとして実名公表に同意した。

 亡くなった渋谷美穂さんの父で会社員の登喜男さん(55)=高畠町=がこの日の一周忌法要後に会見した。

 渋谷さんは携帯電話に残されていた書き込みのうち、美穂さんが心情をつづった部分を抜粋し、紙に書き写して報道陣に配布した。実名で書かれた5人の生徒以外の同級生に対し、「これで満足? もう、ワキガ臭くも、おなら臭くもないもんね。皆が言った暴言、痛かった。いつも泣きたかった」「死は怖いけど、生きているより怖くはないです」「今回のイジメでやっと理解した。うぅん、理解させられた。私は皆に不快な思いしか与えられないんだってこと」などと記されている。

 渋谷さんは「今までは学校側の説明しかなく、このままでは娘を救えなかった負い目が大きくなる」と公表した理由を説明。「学校や県教委の報告書に納得していない。死ぬまで真相究明と再発防止にかかわっていきたい」と話した。また、自殺の5カ月前に美穂さんから「お父さんがいじめにあったらどうする」と聞かれていたことも明らかにし、「なぜあの時に疑問を持たなかったのか」と悔やんだ。

 ◇「遺書は根拠の見えないもの」校長がコメント

 遺族の会見を受け山田校長も記者会見し、「5人以外の生徒を一くくりにしていじめの加害者とするような内容になっているが、そのようなことはないと学校では判断し、この遺書を、根拠の見えないものと考えている」とのコメントを出した。【湯浅聖一】

毎日新聞 2007年11月23日 22時08分 (最終更新時間 11月24日 3時07分)

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