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2008年1月14日

 四月から老人医療が変わり七十五歳以上の人はすべて新たな保険制度に加入することになるため、北陸の各自治体もPRに躍起である

そこで登場するのが「後期高齢者」という言葉だ。七十五歳以上をそう呼ぶわけだが「後期」と言えばもう「あと」がないわけで、早々にお引き取り願いますと言われているようでもある。無神経なお役所言葉だが、最近の老人力のすごさで、七十五歳からの老後がまた長いのである

高齢者は多くなるばかり。一括(くく)りにできなくて「前・後期」に分けるのもやむを得ないご時世で、年齢八掛けから七掛けの時代とも言う。今の七十歳は昔の五十代半ば。四十歳の中年も以前の三十前後である

二十歳は十四、五歳に相当すると言えば失礼になるが、未熟でも発展途上の「青年前期」と考えればいい。励まされているのである。一方で「少年老いやすく学成り難し」「光陰矢の如し」と言う。人の一生は長いようで短いのは、昔も今も変わるまい

高齢化社会とはただ言うのではない。青年の未来は長いが、老人の未来もまた長くなったこの世を、どう生きるか。成人の日にそれぞれ考えてみたい。


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