tumblrと著作権問題のお話です。
先日の記事がなかなか濃密にDISられたわけですが、他のタンブリスタの人の意見も聞きたかったので、こんな記事をtumblr上で書き、放流してみました。
タンブリスタ、主張してくれにゅーあきば問題をブログにのっけて便乗して調子こいてたら、きました。
http://itlabo.seesaa.net/article/72154851.htmlReblog元の、一番最初の絵なり文なりを創った人はどうなるんだ、って話です。
無断転載されてる制作者に対して、俺は謝るしかないの?ああそうさ、tumblrは最初の情報の作り手に対しては恩恵を与えない。でも、俺はその作り手のアクセスやリンクジュースをかっぱらって喜びたいだけなのか?そりゃあ沢山の人が俺の記事をReblogしてくれれば嬉しい。でもそうじゃない、それだけがtumblrの喜びじゃない!
正直、俺では言葉足らずだと思います。著作権侵害して云々は俺が謝ればいいけど、tumblrの可能性は所詮そんなものかと言われれば黙っていられない。
あなたの意見を、教えてください。
このPOSTは色々な人にReblogされつつ、時にコメントが増えつつ広がっていきました。この文章を書いている時点で53人のtumblrにReblogされてます。はてブならホッテントリに入ってますかね? コメントをくれた人もReblogしただけの人も、とにかく著作権問題を気にかけていることはわかりました。
あちこちのtumblrでつけられたコメントを回収して、ここにまとめておきます。皆様、貴重な意見をありがとうございます。強調部分は原文のままです。
コメントはつけられた順です。たぶん。
neodenjin氏:
reblogが情報源(権利者)に恩恵を与えないなんてことはないと思う。tumblr.に放流したことで注目を集めるようなことだってあるのだし。 ただ、権利所有者の知り得ない場所で勝手に二次的な価値を付加されたり商材として利用されていたら、それはフェアユースとは言えないので、自分の責任能力が及ぶ範囲においては断固として抗議し、拒むというのが私の個人的なスタンス。
ところで、最近mixiやpixivなど会員制SNS内からの画像をpost(というより会員でない人に見せびらかすわけだから、明らかにフェアではない)が多くなっているが、これは権利者の意図に反するならばreblogすべきではないだろう。
でも面白い画像だったら思わずreblogしちゃうけどね。それがtumblr.の宿命。そしてtumblristaの性。
tumblr経由で知らなかった絵師・職人に出会うこともある。(tumblrに転載された内容で満足する人が多いのか否か、は問題だと思うが。)転載もオリジナルも一目でわからない現状では、安易にreblogするのは危険。ふむふむ。
trendkill氏:
要するにモラルの問題じゃないかな?
少なくともneodenjinさんからはモラルを感じる。
う〜ん、でもはっきりした線引きはどこかでしておかなくちゃならないと思うのです。
gerorin氏:
こないだ着ぐるみ写真についての転載を聞いてみた時、キャラの権利問題についても言及されたけど、例えばそれが「二次創作」であった場合は「自分の責任」では止められない部分も無くは無いんですよね。そこは難しいところだし、出来る事なら避けておきたい部分。
reblogする自由は有るけど、自由って結局「責任」も出来ちゃう事だから、結局「自己責任」って言葉で終わっちゃう事もある。
が、それで終わらせちゃいかんのも、我々たんぶりすたの「使命」だと思う。
要はバランス感覚、なのかなあ。
reblogするとそこに責任が生まれる。ふむふむ。
dara-j氏:
なんとも面倒くさいのに引っかかっちゃった感じがあるけども。
「のし」氏はハナっからtumblrをdisるために議論を吹っかけてきただけのような。
運営しているサイトのコンテンツがよそのサイトからリンクされるのと、tumblrのエントリが他のtumblrからreblogされるのは似てるようで違うもの(だと思ってるんだけど、俺は。)なのに、それを同一視したまま「肯定側の意見も聞いてみたい」って、そりゃ意味ないし。まぁ理解する気がハナからないんだろうけど。
あと、tumblrの何が楽しいかってのは、その世界に浸らない人には多分説明しづらいと思う。他に似たような感覚のものがこれまでなかったっつーか。
ま、tumblrと一次情報提供者(って言い方でいいのかね)はなかなか仲良くはなれなそうだけどね。
あと「にゅーあきば」については、自分は「給料もらって働いている(ネトランの肝いりだよね?)ヤツが不精してreblogが多いコンテンツを右から左でのっけてるんじゃねーー!ちゃんと働けや、ボケがぁっ!」って思ってるんだけど、みんな違うのかな?これが個人運営のニュースサイトだったら「問題」とまではいかなかったのでは?
なんかグダグダ文章ですまん。
味方ktkr。「tumblrの説明が難しい」のはコメント欄のやりとり中に何度も思ったことです。結局、相容れないのでしょうか…。
にゅーあきばの編者のことは知らないのですが(見ないし。)リンク元をtumblrにしていることが問題だというのが私の意見。はてブの個人ページのブックマークに更にリンクを張ったニュースサイトなんて前代未聞だと思うのですが、そんな感覚です。
celeron1ghz氏:
TumblrはP2Pの理想型だとオレは思ってるんだけどなぁ。世の中そんなにうまく行かないことはわかってるけど。ネタ帳を回し見していって気に入った物があったらコピーしてるって、ただそれだけなのにね。でもまぁモラルの問題で収束してしまう気がする。
根底の考え方はなるほど、P2Pと似ていますね。この記事のReblogのされ方を見ていて同じことを感じました。
ultramarine氏:
ぶっちゃけ、誰かにダウンロードされただけで怒る様なら最初からweb上に創作物を上げないと思うのだ。多くのサイトで「当サイトの画像やテキストの著作権を主張する」云々の文句は、要するに「創作物を見るぐらいなら構わんが”あれは俺が作りました”とか言いだして商売始めたらちと許さんよ」っていう意味に過ぎないと勝手に解釈することにする事にしている。
また、tumblr上で”これは俺が作りました”って言って商売はじめようとしても”どーせそれもreblogだろ”と思われて鼻で笑われるだけなんで、元の創作者はその点はかなり安心していいと思う。
ついでに言うと、人間は本当に好きなもののルーツは知りたがるもののようなので、その辺の本能的な欲求を侮らないで信用してやってはいかがか?と創作者達には言いたい。外から見てるとわからんと思うけど、例えば最初は出所不明な萌え絵がreblogされて流れてきて”この絵誰が書いたんだろう?”なんて思ってると、同じ作者の絵が次に流れてくるときには作者のサイトへのリンクつきでreblogされて流れてくるようになったりしてますよ。この辺の現象を見るに、好きなものの創作者にはそれなりに敬意が払われているものだと感じるのです。たとえtumblr上であっても。
個人ニュースサイトの件だが、出所がtumblrであるかどうかに限定する必要は無いと思うが、出所不明の記事を載せるニュースサイトってそれ自体が無粋で無責任でナンセンスだと思うがいかがだろう。
ま、俺個人の私見ですがね。
創作者様に責任を押し付けるのはちょっと…。ああでも、ニュースサイトも一次情報にリンクを張ってないページなんてザラにあるよね。GIGAZINEのトラックバックを見てみればいくらでも出てくる。そんなニュースサイトより、一次情報のリンクごとコピーするtumblrの方がまだマシだと思うことはある。
otsune氏:
画像もテキストもdata.tumblr.com以下にコピーして再配信している時点で法的にはアウト。例外は、権利者が許可している場合か、引用の条件を満たしているか、(アメリカ人であれば)fair useを満たしている場合。
インターネットと著作権は実態とズレが有ると思うので、個人的には「fair useかどうか」を基準にしている。ちなみにGoogleがキャッシュページには広告を貼っていないのは「他人のコンテンツで広告収入をあげていない」というfair useのため。あとtumblrはYouTubeやニコ動や画像BBSとおなじような怪しさ混じり上等で良いと思ってる。
そこまで考えずにReblogしていた私には耳が痛い話。
rumor氏:tumblrは、情報の作成元の権利を考慮していない。
外部からtumblrでreblogの多かった記事へリンクを張るサイトについては、tumblr内のデータへ直接リンクを張るのが悪い。理由は、実勢をみるとtumblr内のデータはすべて無許可転載であると考えるべきだからだ。
発問が、tumblrとは何かというビジョンをとりたいなら、おそらくは問題を、権利面とそのよろこびに再整理するべきだ。漠然とした問いは、答えも主観に振り回されやすい。
tumblrの権利面は、すくなくとも現状は真っ黒に近い灰色だ。
簡単ながら、問題のひとつへの答えとしてよいと思う。tumblrの利用者がなぜ、それでも利用し続けるのかという問題に移る。
これについては、多くのtumblr内のテキストが、tumblrとはいかなるものかと言及している。
誰が作ったかという作者名とも、文脈からも自由になって、dashboardを膨大なデータが流れる。ただそのデータが目を引きつけたから、いいと思ったからreblogする。
いいデータをreblogした人がいたなと、興味を持ったtumblrへ飛ぶ。集まったデータの流れを見て、好意の系統を感じた気になる。新しい好意を知って、自分の世界が半歩広がった気になる。
ただそれだけのことが、驚くほど快感なのだ。
あなたの作ったものを、reblogせずにいられなかったくらい好きだよ。いとおしいと思うよ。そう思った人間が、テキストも写真もイラストも動画も無制御で流れてゆくdashboardの中でそのくらいいた。
通りを歩いた美人に、たとえば25人が振り向いた(reblogした)ということ。議論としては思考停止だけれど、tumblrというのは、ただそれだけのものなのだと思っている。「おまえに振り向かれて迷惑だ」と美人に言われたら、あやまることになるだろう。その美人の権利を、振り向くという行為は考慮していない。
街頭で安易に美人に振り向いてよいのか。(web拍手やコメントのような)決められた形でやるべきではないかと言うことなら、それは新しい問題を再設定することになる。
綺麗にまとめていただきました。ついでに問題提起の粗まで整理してくれる徹底ぶりに感激。
コメントじゃなくて一つの記事にしてくれた方もいます。
無貌断片 - Re:タンブリスタ、主張してくれ
(中略)
まあ長々と書いたけど要するに転載Tumblrをやめて、自分のコンテンツをPOSTしていけばTumblrをもっと生かせると思う。
あう…了解しました。転載部分は何とかしてみます。
自分の意見は散々書いてきたので、まとめの一言は書かないでおきます。
tumblrはFollowing/Followerという関係はあるけど、その関係はすごくゆるいです。タンブリスタがコミュニティを持ってこれをこうしようぜ、みたいな活動はあんまり聞かないですね。はてなのたんぶら部の活動も微妙だし。
そのゆるさが長所でもあるのだけど…こういう問題が起きたとき、話し合いがされにくいのは短所かもしれません。個々人で意見は述べられるのだけど、まとめる人がいないのよね。
万引きしてきたものを仲間内で「これうめぇよwwww食ってみwwww」
「うはwwwマジだwwwうめぇwwww」
「俺にもくれよwwww」
ってやってるって事ですかね。
しかも公共の場で。
そんなイメージ。
何というか、苦情も一手に引き受けるような形になっていますね。
イラストサイト管理人さんの意見等、興味深いものもありますが。
上の方へ
不快なのはわかりますが、万引きというのは・・・
お金をとっているコンテンツなら、まだ近いかもしれませんが
WEBで公開されているものなら、大分違うと思います。
「ご近所さんの食卓からおかずをかっさらって」
とかそんな感じ?
製作者の元へうまいこと繋がるならいいんだろうけど
拾ったものをただ寄せ集めて見せびらかしてるだけってのは建設的でないような。
代金とって無くても品物を盗んだ時点で万引きだと思うのだがどーか。
タンブラって「無断転載」って言葉を知らない人がやるものかしら
のがあると思うんだよね。
で、その反応が一番大きい時期ってのは初見の時だと思うんですよ。
結局タンブラって、作者に対しての反応を奪っているって事にはならないか?
それに、その反応を生かしてよりよい物を作るという行為も行われにくい状況にもなりかねないと思うのだが
rumor氏が美人を見て振り向いた(reblogした)と表現しているけど、個人的には強姦に近いんじゃ…とも思う。
振り向いた感覚で強姦をしている…という
モラルだという可能性も考慮してもいいんじゃないかなー…ちょっと暴論だけどw
「強姦」は乱暴すぎ。美人をみて脊髄反射で写真を撮る感じ。これはこれで美人に対して失礼ではあるのだが。。。
先ず、Tumblrと一口に言っても使い方は人それぞれで、
Postするコンテンツも色々なので、ズレがあったらすみません。
例えば私が興味を持つ分野だと、殆どPost元や情報が表記されています。
でもジャンルに寄っては、無い物もあるようです。
拾った時点で情報が分からないという場合も多いのでしょうが、
Post元が表記されてないならば、ぬさんの意見も尤もだと思います。<見せびらかしているだけ
表記されているものならば、それは個人ニュースサイトに限りなく近いんじゃないでしょうか。
>むうさん
これも、Post元表記があるか無いかで大分違ってくるのですが・・・。
Tumblrは基本的にコメントもトラックバックもありません。反応するにはReblogだけ。
リピーターになるにしても、所詮個人のスクラップブックですから、確実性は無い。
好きなコンテンツであれば、確実に元サイトを見ると思います。
それは、Reblogという手段を持ってるユーザーでも同じ事です。
いや、寧ろ、積極的に飛んでると思います。
私自身、Tumblrを始めて以来、好きなクリエイターが一気に増えましたし
勿論見るサイトも増えて、コメント出来る環境ならしたりもします。
人気の出た画像なんかは、元サイトのRSS購読数が増える現象も見かけますし。
(元が一桁二桁のblog/サイトだと分かりやすい)
製作者に繋がってさえいれば、
反応は増えこそすれ、奪うなんて事は無いんじゃないでしょうか。
だからといって無断転載OKでしょ!と言ってる訳ではないので、あしからず。