インドのシン首相は中国を公式訪問するため、１３日、北京に到着し、この夏開かれる北京オリンピックのエキシビション・センターなどを視察したあと、温家宝首相主催の夕食会に出席しました。また、シン首相は北京で、インドの経済界の代表団に対し、「インドと中国は、かげりを見せている世界経済のけん引役となりうる。中国との協力は歴史的な必然だ」と述べ、中国との関係強化に強い意欲を示しました。ともに１０億人を超える人口を抱える中国とインドは、かつて国境問題をめぐって軍事衝突を起こすなど対立してきましたが、急速な経済成長とともに、二国間の貿易額はこの７年間で１５倍以上に増えるなど、経済を中心に急速に関係を深めています。シン首相は１４日午後、温家宝首相と、また１５日には胡錦涛国家主席とそれぞれ会談することにしており、経済や安全保障など包括的な分野で関係を強化していくことを確認するものとみられます。また首脳会談では、経済成長に伴って両国の課題となっているエネルギー資源の確保や温室効果ガスの削減対策について、どのような協力を打ち出すかも注目されています。