この事件は、去年の１月１５日、京都市左京区の路上で、京都精華大学マンガ学部の１年生だった千葉大作さん（当時２０歳）が男に刃物で胸など十数か所を刺されて殺害されたものです。警察は、千葉さんが救急車の中で「まったく知らない男だった」と話したことなどから、千葉さんが自転車の通行をめぐって見知らぬ男とトラブルになったとみて捜査を進めていますが、犯人は捕まっていません。事件から１５日で１年になるのを前に、母親の千葉淳子さん（４８）が、記者会見し、「長い長い夢を見ているようだ」と話し、事件を受け入れられずに苦しんでいる胸のうちを明らかにしました。そのうえで「一生懸命生きていた大作を残虐なやり方で手にかけた犯人に向かって、自分と家族に謝るよう言っている大作の声にならない声が聞こえる。せめて犯人は取り返しがつかない恐ろしい過ちをしたことに気づいてほしい」と涙ながらに事件の解決を訴えました。母親の淳子さんは、事件現場を訪れ、花を手向けて手を合わせたあと、近くの地下鉄の駅前で犯人の似顔絵入りのビラなどを警察官といっしょに配って情報の提供を呼びかけました。