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【ゆうゆうLife】医療 妊娠・出産のお金…賢く使う公的助成(上) (1/3ページ)
出産育児一時金 自己負担をサポート
妊娠・出産は人生の一大イベント。ところが、出産は病気でないため、分娩(ぶんべん)、入院などにかかる費用は原則、健康保険の適用外。健康な赤ちゃんを産むために欠かせない妊婦健診も自己負担です。しかし、こうした費用の一部をサポートしてくれる制度もあります。初回は、出産費用の公的補助「出産育児一時金」を紹介します。(横内孝)
「35万円ものお金を、いったん自分たちで立て替えるのと、立て替えないのとでは負担感が全然、違います」
昨年12月に長男を出産した茨城県茨城町の主婦、赤間由加里さん(38)は話す。赤間さんが利用したのは、出産育児一時金の受取代理制度。
出産育児一時金はこれまで、出産後に申請し、病院への支払いが終わってから、30万円が支給されていた。それが、国の少子化対策で18年10月に35万円と増額になり、医療機関に直接支払われる制度が導入された。高額な出産費用をあらかじめ準備する負担が軽減され、支払いのため預金を取り崩す必要もなくなったわけだ。
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分娩・入院費が35万円以上かかった場合は、差額を医療機関に支払う。逆に、下回れば、差額は被保険者の口座に払い込まれる。手続きは原則、出産予定日の4週間前から。組合健康保険の加入者は会社などの健保窓口、中小企業が加入する政府管掌健康保険の加入者は管轄の社会保険事務所、国民健康保険の加入者は市区町村で手続きする。
ただ、利用には条件もある。東京都北区に住む喜多嶋由美さん(26)=仮名=は「出産費用を準備しなくて済む」と思い、区に申請したが、利用できなかった。「国民健康保険税(料)など、税金の滞納がない」との要件を、満たしていなかったのだ。