1年間に南極の氷床から解け海に流れ込む淡水の量は、過去10年の間に場所によって最大2.4倍になり、氷床全体の年間減少量も1.75倍になったとの調査結果を米カリフォルニア大や英国、オランダなどの国際研究チームがまとめ、地球科学の専門誌、ネイチャージオサイエンスに13日、発表した。
南極周辺で目立つ気温や海水温の上昇が原因とみられる。温暖化によって南極では降雪量が増えるため、全体として氷がどれだけ減っているかなどはよく分かっていなかった。南極の氷の溶解が一因になっている海面上昇の予測精度の向上などに役立ちそうだ。
研究チームは、1992年から2006年の米国の人工衛星によるレーダー観測データを基に、南極の海岸線から海に流れ出す水の量を詳しく解析。降雪量を予測するコンピューターモデルのデータを加え、南極の氷床の変化量も推定した。(07:00)