| | | | 艶車「アルファロメオ アルファスパイダー」を買うということ | 徒然なるままに綴るインプレッション 第一回 | | まさに人生を決定付けてしまいそうな個性的な車が、また一つ姿を消そうとしています。既にメーカー在庫を無くなったその車はアルファスパイダー。買うなら今です !
| | 文と写真=斉藤 敦(VividCar.com)
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| | | | | | | 斉藤 敦 [WEB プロデューサー] | | | | イタリア車が大好きなワタクシ。がしかし、最近、欲しいと思うイタリア車は1,000万円級のものばかり。うーむ、どうしたものか。しかし、ランチアの日本再上陸のニュースなど、ここ最近は再び息を吹き返してきたイタリア車には要注目ですぞ。 | |
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| | | | | グリルは 2003 年のマイナーチェンジにて、社内デザイナーの手によって大きくなった。このクルマをデザインしたエンリコ・フミヤの心中や如何に・・・ | |
| | 元々フミヤのデザインは個人的に大好きだったが、このショルダーラインにはもうため息もの。(写真:下)
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| | | | 艶男が選ぶ艶車
最近、同い年の友人からこんなクルマ購入の相談を続けて 3 件も受けました。
ワタクシと同じ独身で、結婚する前に最後の打ち上げ花火じゃないけれど、当分乗れそうもなくなる粋なオープンカーに乗っておきたいというもの。本人たちは、まだまだ独身貴族でという想いがあるものの、彼女(婚約者)からのプレッシャーが強くなり、そろそろ年貢の納めどきというのを、ヒシヒシと感じているのでしょう、たぶん。
そんな彼らが、愛車の筆頭候補に挙げるのは、BMW の Z4。特にクルマ好きというワケではないのだけれど、輸入車のオープンというカテゴリーで探すとコレに行き着くようで。昔と違って、バリューローンで月々のコストはなんとか払えそうな額になるし、ブランドもお金持ちに見えそうな BMW ということでばっちり。彼女の受けも良いそうで、さらに安心のドイツ車で、アグレッシブなデザイン・・・と彼らのハートを鷲掴みにする要素には納得。なんだか、違う打ち上げ花火を上げるためのツールとして使おうとしているのではないかと、勘ぐりたくもなるという、クルマの選び方。BMW Z4 はもちろん良いクルマだけど、首都圏では目にする機会も多くて、希少感的プレミアム感は今ではちょっと、という感じ。
そういう想いがあるならば、アルファ スパイダーの方がぴったりなんじゃないかと思うワケで。
ということで、今回はそんな三十路の艶男が選ぶ艶車という視点で徒然なるままに綴ってみようと思うのであります。
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| | 艶車の定義とは
さてはて、艶車の定義とは・・・
ワタクシが思うに、ドライバーには「性的な興奮」を、ナビゲーターには、「高揚」を与え、街ゆく人々からは「羨望」されるような色気のあるクルマかな、と。あと、妖しさをもっていることが重要でしょう。
この定義でゆくと、マセラティやジャガーあたりのオープンがドンピシャというところですが、結婚前の悪足掻きをしようとしている 30 代にはちとハードルが高いというもの。結婚式の費用やらもとっとかないといけないという理由もあります。
そこで、買えるクルマの価格は、と考え始めるワケですが、今まで頑張って貯めた財形貯蓄を切り崩して 150 万円を頭金に使うとします。独身貴族ががんばって、がんばって払えるだろうと考えられる月々の支払いを 7 万円と仮定。もちろん、先行きの見えない社会ですからボーナス無しの均等払いを選択して、輸入車ならではの低金利キャンペーンを利用することを前提に金利を 2.9 % とすると、借りられるお金はオトコの 60 回払いで、約 350 万円。頭金と合わせて 500 万円というところでしょうか。
そして、この価格帯にどんぴしゃなのが、やはり Z4 。さすが BMW ! 値付けにも抜かりがありません。そして、もう 1 台が、今回紹介するアルファ スパイダーなのであります。
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■Alfa Spider [3.2 V6 24V] | 価格: | 4,924,500 円(税込) |
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全長×全幅×全高(mm): | 4295×1780×1320 | 車両重量(kg): | 1470 | エンジンタイプ: | V6 DOHC 24バルブ | 排気量(cc): | 3179 | ミッション: | 6MT | 駆動方式: | FF | 乗車定員(人): | 2 |
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| | さて、このアルファ スパイダー、3.2 リッター V6 エンジンを搭載するモデルと 2.0 リッター ツインスパークな直 4 エンジンを搭載するモデルがラインアップされています。クルマだけでなく、自分のライフスタイルを取り巻く様々なモノにちゃんとオカネを使いたいと考える独身貴族は、どうしても価格が安く、上級モデルとの見た目上の差異が少ないことからツインスパークモデルを選びがちですが、ワタクシはそれはちょと違うかなぁと。
艶車という視点で見てみると V6 モデルが価格差以上の「性的な興奮度」を持っていると断言できます。そして、ツインスパークが持つのは、「感情的な興奮」。すなわち、運動をしたり、観たりしたときに憶える興奮であって、艶車の「性的な興奮」とはちょっと違うのであります。
また、3.2 リッター V6 エンジンはトップエンドまでストレス無く回り、高回転になればなる程、何とも言えない艶やかな歌声を奏でます。その艶やかさに完全にノックアウトされることでしょう。しかも、その艶やかさは愛人のような妖しさも兼ね備えています。 GTA のエンジンをチューニングし、最高出力は抑えられたものの、低回転から十分にトルクがあって、 MT 初心者でも運転しやすいというところも大きなポイントでしょう。すなわち、運転がしやすいということは、助手席に乗ったヒトからみれば運転がうまいヒトと映るはずです。艶男にはこういうところも大事な点であるといえます。
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| | | | | アルファレッドのボディカラーに組み合わされるインテリアカラーはタンゴ ベージュ。イタリア車の定番カラーの組み合わせもナカナカ粋な感じ。 | |
| | 幌を閉めてもスタイリッシュな点は高ポイント。全く破綻していません。
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| | | 「高揚」と「羨望」
ナビゲーターには、「高揚」を与えられることが艶車の条件と書きましたが、ここでのポイントは匂いであると断言します。そう、アルファにはスパイダーに限らず、あま〜い匂いのフレグランスシートが付いているのです。最近の車種には付かなくなったとの声もあるのですが、お借りした広報車にはしっかりと付いてました。もし付いていなくても心配ご無用。イタリア系のクルマ雑貨屋さんに行けばたいてい置いてありますので。
クルマに乗り込んだ瞬間に車内に漂う甘美な香り、そしてアンバーで統一されたイルミネーション。幌を上げれば、満天の星空と奇麗な夜景。ナビゲーターを「高揚」させるだけの色気と非日常の空間を演出することができるのです。
また、V6 モデルでは、レザーシートとインテリアがカラーコーディネートされることも色気を演出する艶車としてはポイントでしょう。シートカラーはタンゴ ベージュ、ヘレス レッド、パック ホワイトの 3 種類が用意され、カラーに合わせてブラックとレッドのダッシュボードが組み合わされています。もしここで、あなたがレッドのダッシュボードカラーを選択できたとしたら、色気、妖しさとも急上昇することでしょう。しかし、この選択ができるヒトは相当、ハイセンスな方でないとまず無理、という点も踏まえる必要はありますが。
艶車の 3 要素の最後である、街ゆく人々からは「羨望」されるという点についてみてみましょう。スタイリングが美しいということは今更言うまでもありませんが、オープン時にはボディ同色のカウリングに幌が収納されることで、ショルダーラインとボトムラインが強調され、その姿は相当スタイリッシュ。それに加え、幌を閉めた状態でもスタイリングに破綻がなく美しい点も(大抵の場合幌を閉めて走る場合が多いでしょうから)重要です。
街中では、販売台数が少ないことが功を奏して、一般的には何のクルマか分からず、ヒジョーに価格の高いクルマにみえることも嬉しい誤算です。さらに、他の何にも似ていないそのスタイリングは、行き交う人々の目を引くこと確実です。
「コレ、何というクルマ ? 」
と聞かれたら、イタリアのアルファロメオというクルマだよ、と言えば全て OK 。なぜか、日本の女史はアルファロメオというブランドを、クルマにはほとんど興味を示さないにも関わらず、大好きなようですから。
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| | | | ワタクシのお薦めボディカラーはヌヴォラブルー。そのボディカラーに組み合わされるインテリアカラーは、パックホワイトという鮮烈なカラー。この妖しさがポイントです。(写真提供:フィアットオートジャパン) | |
| | オマケ:走りはといえば
ここまで読んでいただければ、アルファ スパイダーが艶車であることは分かっていただけたと思います。
では、ついでに( ? )走りに関してのお話を少々。
スパイダーがデビューしたのは、今から 12 年前の 1994 年。幾度となるマイナーチェンジの結果、洗練はされてきたものの、ベースは元を辿れば数世代前のフォアット ティーポなのであります。そのシャーシに V6 モデルでは 240 ps のハイパワーエンジンを搭載。 ASR(アンチ・スリップ・レギュレーション)はスタートダッシュで効きっぱなし。で、トルクステアも多いのです。そして、新たに装着された 17 インチのホイールのせいか、乗り心地は固く、跳ねます。
ダッシュボードの回りからはカタオトと音がするし、ボディ剛性も現在のオープンモデルとしては十分なものとは言えないと思います。トランクも狭いですし。 1 泊旅行の荷物が 2 人分どうにか載る感じです(しかし、フロントシートの後ろに普通の鞄なら置けるスペースがあるのは嬉しいところ。女史が普段持ち歩く鞄なら、確実に置けることでしょう)。
が、しかし !
それらを全て超越したスタイリング、そしてエンジンがこのクルマにはあります。それらを差し引いても、買う価値は十二分にあると思います。そして、12 年前にデビューした末期モデルを今、あえて買うというところも粋といえるのではないでしょうか。
さて、このクルマ、ワタクシのお勧めボディーカラーはといえば、ヌヴォラブルーでしょう、艶車としては。そのボディカラーに組み合わされるインテリアカラーはといえば、パックホワイトという鮮烈なカラー。こ、これは艶車としては最高ではないでしょうか ?
また、新車じゃちょっと買えないよ、という方もご安心。最終モデルの低走行車が 350 万円程度から市場に出回っています。 300 km 程度の走行距離のクルマが 150 万円安です。
但し、艶車に乗るのは、それ相応のお洒落をしなければ、運転しているヒトが浮いてしまうので、その点はお気をつけを・・・
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| | | | | | | | | | 僕とアルファとチェッカーで 今、ちょっと旧いアルファを買うのに「覚悟」が必要か?ワタクシ、まつばらがチェッカーモータースさんで伺ってきました。
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| | | | | | | web(ウェッブ)のサングラス このサングラスをプロデュースしているのは、フェラーリの社長であるルカ・モンテゼモーロ氏と、 J.P. トッズ氏で、もともとドライビンググラスとして考えられたモノだった。
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