今も内戦状態が続くアフガニスタン。そこで暮らす子供たちにとって、「最も怖いもの」とは何でしょうか?東京で、ある展示会が開かれています。
毛むくじゃらの頭に真赤な目玉。ナイフの下には、血を流して殺されている赤ちゃんの姿が描かれています。
これは、今も内戦状態が続くアフガニスタンの子どもたちが描いた幽霊の絵です。次々とさらわれていく子どもたち。「カブールの幽霊」と題した展示会がいま、都内で開かれています。なぜ、幽霊の絵なのか?
「現実的な不安や恐れや、そういったものを超えた回答として、第一位に幽霊が出て来た」(NPO法人ライク・ウォーター・プレス 陳 富子 代表)
2002年のタリバン政権崩壊直後、ユニセフなどがアフガニスタンの子どもたちを対象に調査を行いました。「一番怖いものは何?」という質問に対し、最も多かった答えは「爆撃や爆発音」「銃を持った男」よりも、「幽霊」でした。
「その子どもたちが見た幽霊って、一体どんなものなんだろうと。だったら書いてみてもらおうということで」(陳 富子さん)
女の子にナイフをつきつける幽霊。この絵を描いた少女は、幽霊が臓器を売るために子どもをさらう様子を描いたと話しました。その一方で、こんな可愛らしい幽霊もいました。
「この子の場合は、1人で遊んでいると幽霊がやってきて、『一緒に遊んでやってもいいよ』って言うんですよ」(陳 富子さん)
荒廃したアフガニスタンで暮らす子どもたちの「強い恐怖や不安」、「安心して遊びたい」といった願いを幽霊は表しているのでしょうか。
「子どもたち一人一人の声に耳を傾けてほしいと思いますね」(陳 富子さん)
(13日14:16)