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大学別学力調査、日本も参加方針 OECD試行

2008年01月13日11時26分

 経済協力開発機構(OECD)加盟国の教育相非公式会合が11、12日に東京で開かれ、大学での学習成果を評価するための国際調査に向けて、試行調査を実施することで合意した。議長を務めた渡海文部科学相は会見で「参加の方向で検討したい」と述べ、日本も試行調査に加わる意向を明らかにした。結果は来年中をめどにまとめ、それを受けて正式な調査を実施するか、加盟国が判断することになるという。

 OECDはすでに15歳を対象とした国際学習到達度調査(PISA)を過去3回実施し、国ごとの平均点や順位を出している。これに対し、今回の調査では大学ごとの評価に主眼を置く。OECDのバーバラ・イッシンガー教育局長は「PISAとはアプローチがかなり違う。大学の順位づけではなく、各大学が自分の立場を知り、目標を定めるのが目的だ」と述べた。

 試行調査は今年から来年にかけ実施し、数カ国から数大学ずつが参加する見通し。これまでの専門家会議の検討では、対象分野として、工学、経済学、自然科学のほか、「批判的思考力」といった専攻分野を超えて高等教育で身につけるべき能力が候補になっている。

 渡海氏は「社会がグローバル化し、学術の質がボーダーレスに広がる中で、日本の高等教育の評価を国内にとどまらず、国際的に考えるのは意味がある」と話した。

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 〈PISA〉 OECDが00年から3年おきに実施している、15歳(日本では高校1年生)を対象とした国際的な学習到達度調査の略称。読解力やリテラシー(応用力)など「考える力」を測ることを主な目的にしている。日本は3回とも参加し、読解力などの順位が下がったことが、学力をめぐる論議や、学習指導要領の改訂作業に影響を与えてきた。

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