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亀井静香の虚像と実像(6)

亀井に多額献金の不動産業者が“逮捕”

 南青山3丁目に、約1400坪の“有名物件”がある。(カット参照)この“有名物件”に群がったのは「リクルート」のダミー、旧「協和銀行」のダミー、コーヒーや金融業の「ユニマット」のダミーなど、そうそうたる“ダーティー企業”が、少しでも高値で売却しようと虎視眈々。したがって全体がなかなかまとまらない。

 「デューク・ヘッドクオーター」( 港区高輪 ・金沢幸雄社長)という不動産会社が、2002年7月に、この土地の中心部の約55坪を12億5000万円で買収した。これは途方もなく高い買い物だった。



   矢印の太枠部分が「デューク社」所有だった

 通常では、こんな土地に不動産屋が手を出すわけがない。すると、この土地に隣接する800坪を、2003年7月30日にUR都市再生機構(旧都市基盤整備公団)(伴のぼる総裁)が買収した。「UR」が買収した800坪は、この“有名物件”の約半分ていどで、残りの部分は虫食い状態の土地。それでも「UR」の広報では、全体をまとめて土地の有効利用に役立てます」と胸を張る。

 つづけて「南青山3丁目における都市公団の介入は、平成10年度の“総合経済対策”の一環としてはじまった“土地有効利用事業”に基づいたものです」とも言った。ところが「UR」がこの土地を買収した直後の03年11月10日、冒頭に記した「デューク社」が、21億円の所得を隠し法人税約6億4000万円を“脱税”した、として東京地検特捜部は社長の金沢幸雄を逮捕、起訴した。

 そして金沢が“脱税”で逮捕された翌々日の新聞には<亀井静香に300万円寄付、脱税容疑の会社・社長パーティー券も>という見出しの記事があった。

 <政治資金収支報告書によると、金沢社長は、亀井氏本人が代表の「亀井静香後援会」(東京 千代田区 )に00年10月20日付と01年10月31日付で150万円ずつ寄付していた。また01年に、「志帥会」のパーティー券を金沢社長が50万円、同社として150万円購入していた。個人献金の時期は脱税容疑の時期と一部が重なっていた。>とある。



    
    「そんなに献金もらっとったかなぁ」

 したがって献金300万円の他にパーティー券だけでも250万円購入していたということになる。どだいパーティー券など親しくしている後援者でも10枚ていどの購入が常識で、200万円も買うというのは、その政治家へ何かを依頼して成功したとかの利害関係にあったと見られる。この“有名物件”に古くから係わってきたある不動産ブローカーは、亀井と金沢の関係を次のように絵解きをしてくれた。

 「デュークの金沢は亀井を通じて都市公団(当時)に話を持ち込んでいる。金沢らは、全体を都市公団にまとめさせて、まとまったところでディベロッパーに転売するんです。表向き都市公団は入札でやることになっていますが、亀井とデュークで容積率を700%から1000%に4割アップする。つまり都市公団総裁の伴が建設省事務次官時代に亀井は建設大臣だった。デュークから億単位の裏献金を取っているといわれる亀井が、容積率をアップするためには亀井と密接な石原知事を使う。それを裏付けるように浜渦副知事、亀井の秘書井上らとデュークの金沢の3人がよく一緒に飲んでましたよ」
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 疑惑だらけの代議士 亀井静香の虚像と実像
 
    [亀井静香プロフィール]

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