「子どもは正直な観客。紙芝居でもレクリエーションでも、面白くなかったら、すぐにそっぽを向かれてしまうんです」
玉野市内を中心に活動するコスモスレククラブの原一夫さん(61)の言葉です。幼稚園やデイサービスなどへ出向いては、手作りの紙芝居、ギターをつま弾きながらのリズム遊び、牛乳パックを使ったおもちゃ作りなどを次々に披露。ここ二十年の活動が延べ千回を超える“レクの達人”です。
原さんによると、たとえ紙芝居が面白くなくても、拍手をくれたり、お世辞で「面白かった」と言ってくれるのは大人。半面、保育園児ら幼い子どもは、内容がつまらなければ、すぐにおしゃべりを始めたり、動き回ったりするそう。「幼児がちゃんと聞いてくれるレクリエーションができるようになれば、一人前」というわけです。
子どもの興味を引きつけるといえば、年末年始に足を踏み入れた玩具売り場も大変なにぎわい。ただ、子どもたちが群がっていたのは携帯ゲームやテレビゲーム。かつて、おもちゃの定番だったミニカーなどのコーナーは、さしたる人込みもなく関心も薄いようです。もっとも、携帯ゲーム機を使った学習や、テレビゲームによる健康体操が日常風景になりつつある時代。大人も子どもも電子ゲームにむしゃぶりつくのも世相でしょう。
さて、書くことをなりわいとする新聞記者。読者をいかに引きつけるかが腕の見せどころではあります。冒頭の数行だけで読まれなくなるか、まさに文末のここまで読んでもらえたか。今年も修業です。
(玉野支社・小松原竜司)