きょうから東京・両国国技館で大相撲初場所が幕を開ける。昨年は、不祥事に揺れただけに初春のめでたさもどこへ、出直しへの重い場所となる。
注目は、もちろん横綱朝青龍である。けがを理由に夏巡業を休んで帰国したモンゴルでのサッカー騒動で受けた処分が解け、三場所ぶりの復帰となった。八日の横綱審議委員会のけいこ総見で健在ぶりを示したが、本番でどんな相撲を見せるか、横綱の品格はどうか。興味は尽きない。
重圧がかかるのは、他の力士とて同じことだろう。朝青龍に優勝をやすやすと許したのでは、大相撲に対する失望感が増そう。鍵を握るのは横綱白鵬だ。この二場所を一人横綱で頑張り連覇して風格も備わってきた。
作家村松友視氏は、ライバルがいてこそそのジャンルが輝くと著書「ライバルを探せ!」の中で説いている。ライバルは似た者同士では駄目だとも。栃錦と若乃花、大鵬と柏戸などはまさにそうだ。動の朝青龍と静の白鵬もぴったりだ。
ライバルは、技量とともに人間性などを認め合う上に成り立つ。両横綱はそれぞれの足りないものを身につけ、刺激し磨き合って真のライバルに育ってほしい。「相撲が一層好きになった」という朝青龍、対する白鵬も横綱同士の全勝対決に意欲をみせる。
大相撲人気は低迷気味となっている。果たして徳俵で踏ん張れるだろうか。