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「台湾人意識」より経済 立法院選 陳政権に厳しい審判 (1/2ページ)

2008.1.12 22:54
勝利宣言の後、馬英九前主席(中央)ら国民党幹部は支持者に一礼した(AP)勝利宣言の後、馬英九前主席(中央)ら国民党幹部は支持者に一礼した(AP)

 【台北=長谷川周人】12日の台湾立法院選で、与党・民主進歩党が歴史的惨敗を喫したことは、初の台湾人政権を誕生させながら成果に乏しい陳水扁政権の執政8年に対し、有権者が抱く複雑な思いを代弁している。対中融和による経済振興策を掲げる最大野党・中国国民党は、次の照準を3月の総統選に合わせ、議会での大躍進をバネに8年ぶりの政権奪還に動き出す。民進党が巻き返しを図れるか、「台湾人意識」を根付かせた真価が問われる。

 陳総統は選挙戦で、「台湾」名義による国連加盟の問題や「脱蒋介石化」政策を矢継ぎ早に打ち出し、国民党独裁による民衆弾圧をやり玉に挙げて、「台湾人意識」の高揚による民意の一体化を引きだそうとした。12日は台北市内の投票所で呉淑珍夫人とともに投票を済ませ、「台湾、民主、正義のために投票しよう」と支持を訴えた。

 しかし、独立志向を強めながら中台関係は前進せず、頼みの経済も深刻化する貧富格差に住民は不満を募らせるばかり。腐敗を招いた政権の責任も先送りしたままで、陣営幹部は「理念だけでは有権者には問題のすり替えと映る。対立をあおれば政局混乱を招き、政治への嫌気を誘うだけだ」とため息をつく。

 これに対し、経済重視という現実路線で選挙戦を優位に進めた国民党は、総統候補の馬英九前主席が高い支持率を武器に党の広告塔となり、全土で応援遊説を展開。党内調整や統一派政党との協力関係の構築を図る呉伯雄主席とは役割を分担し、組織力を背景に圧勝し、悲願の政権復帰を目指して総統選に駒を進める形となった。

 今回は、立法院選と総統選が接近しており、有権者の揺り戻しが起こる可能性は低いとみられ、総統選でも勢いに乗る国民党が有利とみられる。

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勝利宣言の後、馬英九前主席(中央)ら国民党幹部は支持者に一礼した(AP)
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