▽予防の徹底を呼び掛け
山口県内で、嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す感染性胃腸炎の患者報告数が、高水準となっている。例年は流行のピークを過ぎる十二月下旬以降も発症が後を絶たない。九日も、県内の病院で入院患者ら四十九人の集団感染の報告があった。冬季の発生は大半がノロウイルス(小型球形ウイルス)が原因とみられ、県は今後も流行が予測されるとして、予防の徹底を呼び掛けている。
報告は、県内四十九カ所の小児科定点医療機関から一週間ごとにある。昨年十二月三〜九日(四十九週)は九百七十五人、十〜十六日(五十週)は千六十三人、十七〜二十三日(五十一週)は千二百四十人と増加した。
二十四〜三十日(五十二週)は八百六十五人、三十一日〜一月六日(一週)は三百八十二人と減っている。
県健康増進課は「年末年始に医療機関が休診した影響を考えると、増加傾向が終息に向かったとまではいえない」とみる。
実際、年明けも集団感染の報告が続き、七日は宇部健康福祉センター(宇部市)管内の福祉施設で四十三人▽九日は山口健康福祉センター(山口市)管内の病院で四十九人の発症の報告があった。
流行のピークは、ここ数年は十二月前半の週に迎えている。一昨年十二月は四〜十日(四十九週)で千四百十三人、二〇〇五年十二月は十二〜十八日(五十週)の千五百四十八人で、それ以降は減少傾向になっている。県は「ピークの予測は難しく、流行期の二月まで注意が必要」と警戒する。
本年度は初めてポスター約四千二百枚を製作し、福祉施設や医療機関などに配った。ホームページでも、調理する食材の十分な加熱、せっけんでの手洗い、感染者の便や嘔吐物に触れないなど、予防策を示している。(高橋清子)
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