北からも南からも集う海鮮駅弁も侮れない

 牛肉の駅弁が5つ並んだところで、今度は、海鮮駅弁を4つ紹介しよう。まず、海鮮駅弁のトップに立つのが、根室本線釧路駅の「たらば寿し」(1350円)。京王駅弁大会への初登場はさほど昔のことではない。今から9年前の99年のこと。けれども、初登場以来、競争の激しい京王駅弁大会ベスト10に、常にランクインしている。しかも、2006年には売上げ3000万円を越える最高新記録を樹立した。旨さの秘密は、根室漁港直送の極太タラバの脚肉と、プチプチの自家製イクラの醤油漬け、さらに脂ののったサーモンを惜しげもなく山盛り、いやテンコ盛りする豪快さ。それらが口中で渾然一体となる旨味はまさに幸福。

根室本線釧路駅の「たらば寿し」(1350円)(画像クリックで拡大)

「たらば寿し」販売店。2007年大会(画像クリックで拡大)



 続いては、山田線宮古駅の「いちご弁当」(1200円)。なにやら、フルーツの苺を連想させるが、さに非ず。岩手県宮古地方に古くから伝わる雲丹と鮑の郷土料理「いちご煮」のこと。グツグツ煮える汁の中の雲丹が黄色の野苺に見えることが由来だそうな。

山田線宮古駅の「いちご弁当」(1200円)(画像クリックで拡大)

「いちご弁当」販売風景。2007年大会。(画像クリックで拡大)



 さらに、山陽本線西明石駅のベストセラー「ひっぱりだこ飯」(980円)。今回、新登場の肥薩オレンジ鉄道出水駅の「特製えびめし」(1000円)にも大いに期待したい。

肥薩オレンジ鉄道出水駅の「特製えびめし」(1000円)(画像クリックで拡大)

「ひっぱりだこ飯」の中身(画像クリックで拡大)

山陽本線西明石駅の「ひっぱりだこ飯」(980円)(画像クリックで拡大)

 そして、もうひとつ、今回の大会で大行列が予想される駅弁がある。それは次ページで紹介する。