Jul 07, 2006

水に沈む不思議な氷

氷が水に浮くのは,氷の密度が水の密度より小さいためですが,重水が凍ってできた氷(重水氷)は水に沈むのです.氷や水の密度の具体的な数値を知らなくても,日常生活の中で経験的に「氷は水に浮くものである」と我々は認識しているため,コップの底に沈む氷というのは不思議な現象として見えます.したがって自宅でのパーティーや飲み屋などで「重水氷」を用意すれば,ちょっとした余興になると思います.興味のある方は是非おためしください.ただし,重水はその組成が普通の水とは異なるため,体内に摂取するのはやめた方がよさそうです.「ほら,この氷沈むんだよ?すごくなーい!?」と,あくまでも観賞用として使うことをオススメします.

余談ですが,数年前に起きた殺人事件で,犯人は死体を水中に沈めるための重りとして,水を入れたポリタンクを死体に括り付けたのです.しかし当然の如く死体は沈みませんでした.もしポリタンクに入れた水が重水だったら死体は沈んだでしょうね.なんとも頭の悪い,恥ずかしい犯行でした(殺人を犯している時点で頭が悪いことは証明済みですが).

話がそれたついでに・・・.少しだけウェブを検索したら,重水スプレーという商品を見つけました.

水よりも蒸発しにくい性質があるため肌表面に水分を保持します。イオン化するためには通常の水の10倍のエネルギーが必要なため、紫外線対策にも効果的。
(同商品ウェブサイトより引用)

こんなものがあるのですね.全く知りませんでした.


Make Sinking Ice::Popular Science(via Neatorama

The key to the trick is heavy ice. Many terms shouldn't be taken literally—a red quark isn't red, a peanut is neither a pea nor a nut—but heavy water is exactly what it sounds like: water that weighs more than normal. This is possible because elements occur in several different forms, or isotopes, made up of atoms with the same number of protons and electrons (which determine their chemical properties) but a variable number of neutrons (which contribute weight but not much else).

<参考リンク>
重水::Wikipedia


Posted at 20:51 in おもしろネタ | Permalink | 2 Comments | | edit
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Comments

これは、重水の氷が軽水の水に沈むということでしょうか?
であれば、ある意味当然のような気がします。
重水の水に沈むというのであれば、かなり目新しいですが。

重水スプレーは斬新ですね。手軽に買えるなら家庭で実験に使えそうです。

Posted by mint at 2007/10/25 (Thu) 03:37:24

重水起源の氷が普通の水(水道水など)に沈むのです.これはおっしゃるとおり,まあ当然なんでしょうけど,こうして種明かしをされる前に氷が水中に沈んでいる光景を見せられたら驚くと思うし,面白いと感じるんじゃないかと思いまして・・・.特に子供には面白いと感じてほしいです(個人的に).面白いと感じるところから科学の発展はスタートしますからね.

重水スプレーは斬新ですよね.どれほど効果があるのか,詳しいことは分かりませんけど,一度は手にしてみたい商品です.

Posted by cozymax at 2007/10/25 (Thu) 12:49:29
[ 2 Comments ]
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