 手術した右ヒザが気になる松井。今季は野球人生のターニングポイントとなる |
ヤンキース・松井秀喜外野手への単独インタビュー最終回。2月下旬に始まるキャンプでは、“サブ扱い”からの逆襲となる。
昨シーズン終盤、右ひざに激痛を抱えた松井の守備範囲は、明らかに狭まっている。キャッシュマンGMが「デーモンがレフトを守るのが望ましい」と明言するのも、そんな背景があるからだ。
「十分に自覚しているよ。レギュラーの確約はないだろうし、ポジションを奪っていかなくちゃいけないという意味で、ここ数年と違うんだよね、やっぱりね」
巨人時代から順風満帆なエリートコースを歩いてきた松井に、この逆境を乗りきるノウハウはあるのだろうか。
「中学だって、高校だって、ジャインアンツに入ったときだって、レギュラーを獲得しようとする所からスタートしたわけだから、そういう意味では一緒だよ。それ以後はレギュラーを奪われる立場にはなかったけれど、今回またそういう時が来た。仕方がないよね。ケガがあったのだから。チームはケガ人をあてにはできないだろう。完全に治して、もう1回スタートしなきゃいけないのは当然。そのことは十分理解している」
ケガさえ治せば誰にも負けないというプライドが垣間見えた。その上で、いつも泰然自若としている松井も今年ばかりは、ジラルディ新監督に存在をアピールしなくてはならない。
「アピール? ないよ。自分ができることをやって、それが良い風に映ればいいし、そうじゃなかったら仕方がない。今まで通り、自分がやれることを精いっぱいやるだけ。(05年にヤンキースのコーチを務めたこともある)ジラルディはすごくまじめなタイプで、捕手出身だけに理論派の印象がある」
さて、今年6月で34歳となる松井は、いつまで独身を通すのか。だが、記者がこの話題を持ち出すと、「宮脇ちゃんには他人のことを言う資格がないでしょう」と、軽くかわされてしまった。左手骨折でシーズンの大半を棒に振った昨オフや、不本意な成績で右ひざも手術した今オフのようなタイミングでは、結婚しづらいのかどうか。
「全然関係ないね。野球と結婚をリンクさせて考えることはない。本当にいい女性だと思ったら、どういう時期だって結婚したいと思う。結婚は結婚、野球は野球だよ」
インタビューの最後、記者は松井へ「このオフは、対戦できなくて残念だったよ」と告げた。松井は毎オフ、ニューヨークと都内で一度ずつ、報道陣と草野球を行う。その試合で、松井は必ず投手を務めるが、さすがに右ひざ手術を受けた今オフは開催が不可能だった。でも、松井にとってオフにまで、野球をやることは果たして、楽しいだろうか。
「そりゃ、僕を含めてプロ野球選手はたいてい、昔はピッチャーをやっていたわけだからね。素人の新聞記者相手だって、三振を取れたらうれしい。ケガさえ治れば、来年はまたやれると思う」
相変わらず気さくで、底知れないスケールの大きさを感じさせる。今季は人生最大のピンチ。「松井秀喜」というブランドを賭けた戦いが、もうすぐ始まる。
=終わり
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ZAKZAK 2008/01/12