南米大陸から1000キロ、太平洋上に浮かぶ絶海の孤島、ガラパゴス諸島。19からなる諸島には、隔絶された環境の中で独自に進化をした生き物たちが数多く生息し、「進化の博物館」と呼ばれています。若き生物学者チャールズ・ダーウィンがこの島の珍しい生き物たちの観察をもとに、『進化論』を打ち立てたことで有名になりました。 「シリーズ世界遺産100」では、このガラパゴス諸島で独自に進化を遂げてきたイグアナが主人公です。わずかな雨しか降らない陸地でサボテンを食べて懸命に生きるリクイグアナ、三つの海流が流れ込む豊かな海にエサを求めるようになったウミイグアナ。しかし環境の変動は彼らの運命を大きく変えます。海水の温度が異常に高くなるエルニーニョ現象。大量の雨は陸地に豊かな緑をもたらしました。しかし、一方海中は水温の上昇により、イグアナのエサとなる藻やプランクトンが激減したのです。過酷な気象の変化に直面したウミイグアナがその時、選んだ道は? ガラパゴス諸島に今も繰り広げられる進化の不思議を、イグアナの生の営みを通して伝えます。
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