はんだ付け作業行うとき、どうしてももう1本手が欲しいと思うことがあります。左手に糸ハはんだ、右手にはんだゴテ、そして部品を押さえる別の手。そのような問題を解決するという、ユニオン技研で販売する「リングハンダ」を使ってみました。
試してみた商品はこれです。
クラフトセット標準タイプ(Sn60/Pb40 JIS Z3283 RMA A級脂入り)
おことわり
この使用レポートは筆者が個人的に行ったもので、メーカが推奨する作業手順に合致していない場合がありますので、ご注意ください。
まず、試した商品の写真です。今回使用したのは3種類の異なる大きさのリング・サイズのものが入ったセット品です。入っているリングの内径はN0.7が1.2mm、NO.9が1.5mm、NO.11が2.2mmです。
1.説明を見る
商品のリングハンダの説明はインターネット上で見ることができます。
リングハンダって何ですか?
名前のとおり、はんだをリング状にしたものです。リングハンダのメリットは、次のように説明されています。
- はんだの量を均一にすることができる
- はんだ付けの作業性が向上する
作業にあたり「極意」が説明してあります。
「はんだ付けの極意」
2.試してみる
はんだ付け作業を、実際に行って試してみます。
(1) リード線のはんだメッキ
リード線の被覆をむいたところに、はんだを乗せる作業です。リード線の先に写真のようにリングハンダを2個入れて、下からはんだゴテで暖めます。このときはんだゴテは動かさずに、リード線を動かします。
(2) LEDに配線する
LEDの足(リード)にリード線を、はんだ付けする作業です。LEDイルミネーションを製作するとき、LEDの足へリード線をはんだ付けするときは大変でした。物が小さいので手2本では完全に不足しますが、リングハンダを使うことで、少し解決できます。
このリングハンダをあらかじめはんだメッキしたリード線とLEDの足を写真のように固定した感じにします。こうすると、部品とリード線を手で固定して、はんだ付けができます
(3) 基板より部品が落ちるICソケットなどの仮止め
基板にてICソケットやコネクタなどをはんだ付けするさい、部品面で部品を押さえていないと落ちてしまう部品の仮止めに良いようです。トランジスタ技術2008年1月号の付録基板で試してみました。
ICソケットを差し込み、写真のようにはんだ面のICソケットの足(右一番上)にリングハンダを乗せます。部品面でICソケットを押さえながらはんだ付けします。確かに、両手が使えるので作業性は向上します。
仮止めどころか、いつものはんだ付けよりきれいにできたので、そのまま本止めにしてしまいました。
ユニバーサル基板などで部品とリード線を一緒にはんだ付けするときも使えます。今回は、先の基板のコネクタのピンをジャンパ配線するために試してみました。
この場合は、写真のようにコネクタのピンとはんだメッキしたリード線をリングハンダで押さえてはんだ付けします。
●その他
筆者はリングハンダを使うときにピンセットで行っていました。同社には別売品で、リングハンダ挿入工具「輪っ!ペン」という便利な商品もあります。
後田 敏
エレキジャックNo.5(1/25発売)号のモニタ企画で、この製品をご提供する予定です。p.174の応募要綱をご参照の上、ご応募ください。