クレイジーパパのサイトで、防衛利権騒動の登場人物評なんぞやってるんで紹介してみる。この「事件」は根が深いので、登場人物の背景を探るのが理解に役立つわけだ。で、まずは守屋なんだが、
出世街道を駆け登っていたころのの守屋は「天皇」ではなく「男芸者」だった。お座敷で政治家に酒を注いで回り、歯の浮くようなお世辞を言うくらいは朝飯前。なんでも調子を合わせて重宝がられ、族議員の会合には引っ張りだこ。出張先から有力議員への名産品直送をする気配りもして、しっかりと政界人脈を築いていった。
あの顔で人なつこいらしい。拾ってきた犬みたいなもんだな。で、せっせと政治家にオベンチャラ使って酒を注いでまわるようなタイプで、政治家というのは威張りたい人が多いので、そういう役人は可愛がられるわけだ。で、平成10年なんだが、背任事件で防衛事務次官やら官房長やらが引責辞任という騒ぎがあったわけだ。
ときの防衛庁長官、額賀福志郎は、空きポストとなった官房長に、守屋を指名して、自らは辞任した。守屋の「3階級特進」は話題となった。
額賀とは、そもそも、そういう関係である。守屋は額賀に恩義を感じ、その意向に沿って動いてきた。米軍基地を名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設し、滑走路をV字形にするという額賀のプランを後押しし、日米合意にこぎつけた。
宮崎逮捕のあと、捜査の手が自分にも伸びてくるのをおそれていたころ、一番頼りにした政治家は間違いなく額賀であっただろう。
ところが、額賀は秘書を使って「忙しい」と面会もしなかったそうで、裏切られた事を知った守屋が頭に来て検察にしゃべったというんだが、これで額賀が捕まったら面白いね。で、お次は注目の人物、秋山なんだが、
世の中には「面倒なことでも、頼めば何でもやってくれる」というタイプの人がいて、重宝がられる。最初は便利屋ていどの存在に見えていても、いつの間にか、力をつけていることがある。表に出ない黒子のようだが、そこいらの役者など足元にも及ばない。秋山はそんなカテゴリーに入るだろう。
政治家というのは、基本的にあまり英語も得意じゃないし、武器や兵器に興味があるわけでもない。なので、そういう便利屋がすべてセッティングしてくれると便利だ。しかも秋山は、自分はあくまでも政府の補助金まで貰う「非営利団体」日米平和文化交流協会の理事という肩書きで動いていたので、業者ではないので警戒もされにくい。業者の接待で食った飲んだ旅行だというと問題だが、非営利団体だと平気というわけだ。つうか、非営利団体のどこから政治家を接待するカネが出てくるのか考えると、こら、明らかにヤバいんだがw
で、こうした便利屋だとか男芸者だとかが、政治家や軍需産業のあいだを泳ぎまわって小遣い銭稼いでいるあいだはまだ良かったんだが、山田洋行の親会社の弥生不動産が経営不振で、山田洋行が身売りするという話が出てくるわけだ。北朝鮮との関係が取り沙汰されるホリエモンが200億で買うとか、正体不明のどっかのファンドが100億で買うとかあったんだが、結局、売れないままに弥生不動産の不良債権処理がドガチャガと終わり、とりあえず身売り話は消えた。ところが、山田洋行を実質的に動かしていた自衛隊OBの宮崎専務は、事務次官の守屋とつるんで、独立して日本ミライズという会社をでっちあげるわけだ。
「防衛省の天皇」といわれたほどの実力者を手中にした宮崎は、あくまで強気だった。彼らの策動の結果、思い通りにGEは2007年3月、CXエンジンに関する山田洋行との代理店契約を解除し、ミライズを新たな代理店に指定する意向を防衛省に通知した。すでに裁判沙汰になっていた両社の争いは、ここからさらにエスカレートする。
山田正志は親しい政治家の一人である久間に“宮崎・守屋連合”の撃退を依頼した。久間はさっそく、秋山に相談をもちかけ、秋山は協力を約束した。こうして、
「宮崎・守屋」vs「久間・秋山・山田」という対立構図ができあがった。その後、何者かが宮崎と守屋の癒着を検察にリークし、マスコミに騒がれるようになった。
久間の意を受けた秋山、あるいはその関係者と思われる人物が宮崎の周辺を調べまわった。そして、日本ミライズの土地建物に
北朝鮮系の貸し金業者の抵当権がつけられている事実をつかんだ。恰好の材料だった。秋山は「そんなのと契約すると問題になりますよ」と久間に報告した。
この対立軸は問題が表面化する前から一部で囁かれていたんだが、つまり、守屋・秋山という、官民双方での便利屋、男芸者が対立する事によって表面に出てくるわけだ。
そもそも、利権というのは安定している時には表面に出てくる事はない。何かのバランスが崩れた時に、初めて表面化する。どっちも得しないような不毛な争いなんだが、双方が意地になっている以上、仕方ない。つうか、関係ないおいらにしてみりゃザマーミロだ。で、続々と旧悪が暴露されているんだが、たとえば、
安倍晋三が絡んでいるんじゃないかと言われている、神戸製鋼の化学兵器処理事業。秋山の社団法人を使って、そもそも筋ではない神戸製鋼に巨額の事業を流したんじゃないか、というんだが、
そこに「天皇」といわれた守屋の力が働いた。交流協会の安保研という実績のない団体を強引に競争入札に参加させ、落札させる。そして、その調査結果から「制御爆破式」という神戸製鋼に有利な方式を選択する。これで、少なくとも外務省に防衛庁が楯突いたという印象は避けられる。
あとは、守屋、宮崎、秋山らの思うがままである。
これで、神戸製鋼は下請けに宮崎を使い、宮崎はわざわざアメリカから潜水士を呼んで仕事をさせる。日本にも、潜水士はいくらでもいるんだけどね。で、そこから秋山に裏金が支払われたというんだが、たぶん、例によって海外法人の名前とか使っているんだろう。防衛で海外となれば、税務署も絶対に手を付けられない。
もうひとつ、大きな爆弾なんだが、例によってインド洋無料ガソリンスタンドだ。
海上給油活動で米軍などに
無償提供した油は221億円分にものぼる。A社、B社と匿名で記載された燃料調達資料をみると、ほとんどがその2社との随意契約である。
これまでの話の流れを総合すると、米DESCの確保した「F76」を
二つの謎の日本商社を通じて、中東のバーレーンなどの石油基地で調達したと考えられる。
だとすれば、米国から購入する燃料の取引に商社が介在し、せっせと外国の艦船に給油して、米国の国家機関と日本の特定の商社を大もうけさせていたことになる。
石破防衛大臣によれば、「テロの恐れがあるので、商社の名前は公表できない」というんだが、それが
実は山田洋行でしたという噂がないわけでもない。山田洋行だったら、そら、テロに襲われるだろw 100億の油を200億でわざわざ買って利益供与してたとかいうんだったら、そら、日本の全国民からテロを受けても当然なんだが、
「テロの恐れで公表できない」そうで、これが子供だったら「お母さんに言えないような事におカネを使ったの!」と逆上した母親にお尻ペンペンされるところなんだが、石破大臣じゃ誰もお尻叩いてくれないんですかね? なんだったら、いい女王様、紹介しますぜw
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