2010年代の中ごろまでに月面着陸する無人探査機の打ち上げを目指すことが11日決まった。宇宙開発委員会が策定中の宇宙開発長期計画報告書案に盛り込まれた。現在、月の周囲を回っている探査衛星「かぐや」の後継機として、科学観測や将来の有人活動につなげるデータ収集を目指す。
月探査は中国が昨年10月に「嫦娥(じょうが)1号」を打ち上げたほか、米国やインドが独自計画を打ち出すなど世界的に競争が激化。宇宙開発委ではこうした海外動向を受け、日本がもつ着陸探査技術を生かした無人機を早期に実現する必要があると判断した。
具体的には、探査車で月面を掘削し、かぐやのような周回衛星では得られない土壌の詳しい情報を探る構想。月面の放射線環境や資源の調査を進め、将来の有人活動に役立てる目的もある。
(11日 22:31)