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『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
2月5日刊行
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あれもこれも繋がっていると言い出すと陰謀論のように聞こえてしまうけれども、こと今回に限ってはいくつかの事件を俯瞰して、その全体像を描く必要があるのかもしれない。最近、漠然とそんなふうに考えるようになった。
といっても、この間、新書の執筆に専念にしてきたので、新聞・雑誌もろくに読んでおらず、いずれの事件のディテールもまったく知らない。ほとんど思いつきのような話である。あるいは、すでに同じようなことはどこかで指摘されているのかもしれず、特に目新しいことでもないのかもしれない。
筆者はかれこれ2年前に以下のようなメルマガを配信したことがある(末尾に再掲)。
http://espio.exblog.jp/75648/
<ある関係者は次のように語る。「秋山氏は、レーガン時代のSDI構想の頃からミサイル防衛システムに着目していたと豪語し、“2年ほど前からは生物化学テロ対策のビジネス”にも注目している。
http://www.yamada.co.jp/jp/nbc/
結論から言えば、日米間の国防利権絡みの場で生息する得体の知れない存在だ。>
当時わざわざ山田洋行のURLを記したのは、その「ある関係者」が同社を名指し、上のように秋山氏と“生物化学テロ対策のビジネス”に言及していたからである。
ただ筆者は愚かにも、その時、「ある関係者」が告発を望んでいるのは秋山直紀氏ないしは三菱商事であって、山田洋行はほんの脱線程度の話題に過ぎないと思い込んでいた。
というのも、一つには、この一連の騒動はそもそも「社会新報」が2005年2月当時、秋山氏が三菱開東閣に出入りしていると報じたことに端を発しており、その記事を転載してメルマガで紹介した筆者に対し、上のような情報提供があったからである。
http://espio.exblog.jp/75700/
今から考えれば、しかし、それは誤りである。
「ある関係者」が照準を合わせていたのは、間違いなく山田洋行だったのだ!
秋山氏と山田洋行、秋山氏と遺棄化学兵器処理問題、PCI元社長の詐欺事件、そしてPCIと緒方重威・元公安調査庁長官。
毎日流れているニュースを見ると、どれもこれも別々の話のように聞こえるけれども、おそらく東京地検は一定の狙いを定めてあちこち地下茎を辿っているのだろう。そして、その先にあるのは一体?
当時は話半分に聞いていたけれども、秋山氏が「中国政府の協力者」「警視庁公安部は秋山氏を追跡」というのも案外本当だったのかもしれない。
これは国策捜査と言えば、国策捜査である。しかし、おそらくは正しい国策捜査である。
■復刻(メールマガジンESPIO!)
http://espio.exblog.jp/75648/
●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
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■謎の男・秋山直紀氏と遺棄化学兵器処理問題 Vol.367 09/12/05
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html
1.フォーブスのインタビュー記事
以下のフォーブス米国版記事で、以前当メルマガで触れた秋山
直紀氏
http://www.emaga.com/bn/?2005020087565585004359.xp010617
に対するインタビュー内容が記されている。
http://www.forbes.com/home_asia/free_forbes/2005/0919/154.html
見出しに「日本は事実上平和主義を放棄しつつあり、問題のあ
る米国のスター・ウォーズ・ミサイル防衛計画に、100億ドル
を投入しようとしている。それはすでに米国の納税者と防衛産業
にとっての勝利である」とある。
文中で
Akiyama, who is funded by Japanese politicians and U.S. and
Japanese defense contractors, also arranges private meetings
between them, the Japanese trading companies that broker U.S.
weapons and defense officials. Asked about reports that he
set up a meeting between senior military brass and Mitsubishi
Group executives at a plush company guesthouse, Akiyama refuses
to respond directly. "Japan offers good technology and can learn
from the U.S.," he says. "I connect the people involved."
とあるが、これは明らかに三菱「開東閣」での接待を指し示して
いる。
ここで秋山氏が詳細や履歴を明らかにしようとしなかった次の
"a military officer"
The son of a military officer (he declines to give details
or supply a resume), Akiyama says he was working for a politician
20 years ago and searching for a not-so-offensive "theme"
that would sell Japan on a stronger military.
とは、「長年、陸上自衛隊で勤務した父・秋山敏雄」氏のことで
ある(『新仮想敵国―わが国の安全保障政策への提言』) 。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893741306/
"a politician"は、あるいは政治評論家の故・戸川猪佐武氏を
指しているのではないかと思う。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8C%CB%90%EC%92%96%8D%B2%95%90/list.html
2.「三菱商事は下請け」
ある関係者は次のように語る。
「秋山氏は、レーガン時代のSDI構想の頃からミサイル防衛
システムに着目していたと豪語し、“2年ほど前からは生物化学
テロ対策のビジネス”にも注目している。
http://www.yamada.co.jp/jp/nbc/
結論から言えば、日米間の国防利権絡みの場で生息する得体の
知れない存在だ。
三菱商事は安全保障研究所
http://www.ja-nsrg.or.jp/
の下請けだと言って、宇宙航空機本部の役職者をアゴでこき使っ
ている。
ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオ
ンの日本支社長にどんな暴言でも吐ける人物。ボーイングのアジ
ア太平洋部門のマネージャーであるアラブ系米国人とは親しいゴ
ルフ仲間でもある。」
昨年11月に安全保障研究所が開催した第4回日米安全保障戦
略会議
http://www.ja-nsrg.or.jp/f2004.htm
も、三菱商事の主任クラスが現場の設営を準備したらしい。
西岡喬・三菱重工会長も
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/mori/20050203n2823000_03.html
http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm
(基調講演 西岡 喬 日本経済団体連合会副会長)
同じく秋山氏のゴルフ仲間だという。
三菱商事で秋山氏と接点があるのが、鍋田俊久氏と長瀬泰祥氏。
http://prc.protein.osaka-u.ac.jp/prc/append/append_99-77_program.html
http://www.spaceimaging.co.jp/news/ikostory/18.html
秋山氏は『新仮想敵国』でも米国NRO(国家偵察局)
http://www.nro.gov/
の活動を強調しているし、
http://homepage3.nifty.com/argus/kasoteki.jpg
次の対談記事(「ビジネス・インテリジェンス」2001年2月
号)
http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa1.jpg
http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa2.jpg
http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa3.jpg
http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa4.jpg
でも言及しているぐらいだから、リモート・センシングの分野で
特に長瀬氏との接点があるのはよく分かる(ちなみに、上記記事
中、サイバーテロの何たるかはまったく具体的に説明されておら
ず、佐々淳行氏の「個人レベルでも最低限ウイルスチェックを常
に行うことが必要です」という言葉で締めくくられている)。
同じく防衛庁側で、秋山氏と接点のある鈴木敦夫氏とは、次の
ような人物である。
http://www.keizaishinpo.jp/news/040810/040810e.htm
http://linksoh.ld.infoseek.co.jp/so37.htm
安全保障研究所は、安全保障議員協議会
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-11-07/03_02.html
事務局も兼任している。安全保障議員協議会の防衛庁側窓口は同
庁文書課長と防衛政策課事務官である。
同庁の局長クラスと安全保障議員協議会との懇親会も定期的に
開催されている。 同懇親会は「檜会」と呼称されている。
http://www.takebe.ne.jp/kako312.htm
http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm
(来賓挨拶 武部 勤 自民党幹事長)
忘年会や新年会等の大規模なイベントは、市谷のグランドヒル
か町村会館で行われるが、通常、安全保障議員協議会関連の会合
はキャピトル東急ホテルのほか、日枝神社内の「つきじ植むら」
も会食の会場によく使われているという。
http://www.tukijiuemura.com/shop/23/37.html
<参考>日枝神社
http://www.hiejinja.net/j502.htm
3.遺棄化学兵器処理
その秋山氏について先日、ある怪情報を耳にした。
上記関係者とは別の某関係者が力説するには、「秋山氏は中国
政府の協力者である。警視庁公安部は秋山氏を追跡している」の
だという。
前記『新仮想敵国』では、「わが国安全保障上の最大の懸念が
中国の動向にある」「中国の経済的、軍事的強大化が周辺諸国に
驚異感を与えている」(72頁)とあるぐらいだから、まさしく
仰天情報である。常識的にはとても真実とは思えないので、きっ
と秋山氏を陥れようとする勢力が流しているデマなのだろう。
しかし、社団法人日米文化振興会
http://www.jpf.go.jp/j/cgp_j/intel/program/project/intro/security_14.html
安全保障研究所の秋山氏と中国政府にまつわる怪情報が流れるの
には、次のような背景事情があるからかもしれない。
http://sv3.inacs.jp/bn/?2004010066906473003924.3407
http://www.jda.go.jp/j/library/archives/karita/gaiyou/hon.pdf
http://www.jda.go.jp/j/library/archives/karita/houkoku/hon.pdf
苅田港の件は国内の老朽化学兵器だが、秋山氏は中国における
遺棄化学兵器の問題にもコミットしていると、前記関係者は指摘
する。
以下に「遺棄化学兵器の廃棄という前例のない課題」
http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/gaiyou.html
とある。
それどころか、「これまでの欧米の経験と技術に学びさえすれ
ば中国における遺棄化学兵器の処理も十分可能かといえば、残念
ながらそう単純ではな」く、いくつかの点において、「本件を技
術的にも運用上も世界でもっとも複雑な未曾有の事業」にしてい
るのだという。
http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/kiji.html
つまり、どういう無害化処理技術が最適かは実際のところ誰に
も分からないというのが真相らしい。
加えて中国国内における遺棄化学兵器の総量や現地での調査・
処理実態も不透明であるから、スキームの運用次第で巨大な利権
が生れる温床となるのである。
4.PCI
この遺棄化学兵器処理の国内体制は、実に妙な構造になってい
て、内閣府の遺棄化学兵器処理担当室
http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/
が外務省所管の財団法人日本国際問題研究所
http://www.jiia.or.jp/
と株式会社遺棄化学兵器処理機構
http://www.acwdc.co.jp/
にそれぞれ同じような調査・処理業務を発注・委託する仕組みに
もなっている。
遺棄化学兵器処理機構は株式会社パシフィック・コンサルタン
ツ・インターナショナル(PCI)
http://www.pci-world.com/
http://www.pcitokyo.co.jp/apology.pdf
のグループ会社である。
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/06/19_5be0.html
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/07/post_7cd1.html
5.経営工学の技術士
上記山岡氏記事中に「さる事情通氏によれば、そこで、いま関
係者の間で再び注目されているのが、そもそも外務省管轄の財団
法人『日本国際問題研究所』の客員研究員で、その後、遺棄化学
兵器処理機構の幹部に転じた人物。同社社長はお飾りにすぎない
という」とある。
その人物とは、明らかに庄司喜彦氏を指しているものと思われ
る。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-18-t985-6.pdf
http://www.scej.org/jp_html/gyoji/kaikoku/6905.htm
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/02/010208.htm#15
庄司氏は千代田化工建設の出身である。
6.人民解放軍の強硬派
何でも伝え聞くところによれば、人民解放軍の中には、遺棄化
学兵器などすべて日本に送り返して日本国内で処理させよ、など
と唱える強硬派も存在するのだという。
どうやら中国政府内にも様々な思惑を持ったグループが存在し
ており、そのためにさらに協議が不透明になっているということ
らしい。
<参考>
■中国における旧日本軍遺棄化学兵器処理事業の概要
http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/gaiyou2.pdf
中国遺棄化学兵器問題は、先の大戦時に旧日本軍が中国大陸に
持ち込んだ化学兵器が終戦後も残されたままであったことから、
平成2(1990)年に中国政府がその解決を日本政府に要請してきた
ことに端を発する。その後、平成7(1995)年9月15日、我が国
が化学兵器禁止条約(資料1)を批准し、平成9(1997)年4月2
5日、中国も同条約を批准したことから、我が国は、同条約に基
づき中国の遺棄化学兵器を廃棄する義務を負うこととなった。
■中国遺棄化学兵器の廃棄
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/cwc/china.html
■遺棄化学兵器処理事業に関する質問と答弁
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a162047.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b162047.htm
http://espio.exblog.jp/75600/
●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
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■軍事ブローカー・秋山直紀氏に関する記述が「フォーブス日本
版」から完全欠落! Vol.377 10/23/05
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html
昨日発売された「フォーブス日本版」12月号の記事を見て
驚いた。
以前、当メルマガでも取り上げたフォーブス米国版の記事
http://www.emaga.com/bn/?2005090046442557009196.xp010617
http://www.forbes.com/home_asia/free_forbes/2005/0919/154.html
を“翻訳”する形で、「着々と進む日本の再軍備」と題する特
集記事が掲載されているのだが、原文記事では3パラグラフ強
にわたる秋山直紀・日米文化振興会安全保障研究所長
http://www.ja-nsrg.or.jp/nitibei.htm
に関する記述が、翻訳文から丸ごと削除されているのだ。
記事を読んだ印象は、記事のリード部分からして大いに異な
る。
原文は次のとおりである。
「日本は事実上平和主義を放棄しつつあり、問題のある米国
のスター・ウォーズ・ミサイル防衛計画に、100億ドルを投
入しようとしている。それはすでに米国の納税者と防衛産業に
とっての勝利である。」
ところが、翻訳文は次のようになっている。
「第二次世界大戦以後、平和主義を掲げてきた日本だが、迎
撃ミサイルシステムをはじめ、防衛力強化の下に着々と再軍備
が進められている。このまま日本は軍事大国の道を歩んでいく
のだろうか。」
翻訳文では「民主党と自民党の防衛政策は基本的には同じだ
。民主党もまた、自衛隊はアメリカと協力すべきであり、ミサ
イル防衛網の構築は必要だと考えている」という前原誠司・民
主党代表
http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm
のコメントが掲載されている。
一方、原文でこれに当たる記述はない。たしかに原文でも「
日本の二つの主要政党は平和主義を定めた憲法9条の修正を検
討中である」という記述があるが、前原誠司氏の名前など、ど
こにも記載されていない。
翻訳者ないしフォーブス日本版の編集部が独自に取材を行い
、前原氏からコメントを取って、原文に追加したとでもいうの
だろうか?
瑣末かもしれないが、レイセオン社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%82%AA%E3%83%B3
の名前が、ある箇所ではそのとおり表記されているのに、なぜ
か後段「レイトン」社と記されている。
次のワードファイルは「翻訳」されていなかったり、文意が
異なるのではないかと思われる原文テキストの箇所を太赤字で
表示したものである。
http://homepage3.nifty.com/argus/forbes.doc
ちなみに、フォーブス日本版を発行しているのは「株式会社
ぎょうせい」。
「中央、地方官公署の下命により、法規書、例規類集その他
を発行」してきた同社は
http://www.gyosei.co.jp/kaisya/gaiyou.html
平成17年版の防衛白書も発行している。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4324077231/