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1月19日の原田氏講演会に対する妨害の可能性

 先に1月19日の原田氏講演会に対する妨害の可能性について思考実験を試みた。

 http://espio.air-nifty.com/espio/2008/01/post_ec3c.html

 無論、これは単なる筆者の妄想である。
 しかし、若干付け足しておくと、もしそういうことが起これば、原田氏を攻撃している、人権侵害では名うての週刊誌が、またぞろネタに取り上げることができる。
 たとえば、「本誌既報の元外交官・原田の講演会を右翼が糾弾」という具合である。
 事実評価は書き手のさじ加減一つなので、「原田というケシカラン奴が右翼に糾弾されてお粗末な対応に終始」という具合に面白おかしく書くことは造作もない。
 スーパーノート云々は通常人には簡単には分からないし、興味もない話なので、そういう形で原田氏の問題提起を矮小化することも簡単である。
 だから、右翼が来た場合には返り討ちにして、吊るし上げて、スポンサーを吐かせるべきである。
 まあ、ここまで断っているので、ノコノコ出向いてくるバカがいるとも思えないけれども。

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インチキ

 http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz06q2/502581/
<公安調査庁にしても、正確な人数は当然秘密ですが、せいぜい100人単位といったところ。この程度の人数では、必然的にできることは限られてしまいます。>


 はぁ?公調の定員は公開されてますけど?

 なんでこうどいつもこいつも平気でデタラメを言うのか不思議である。

 なぜ、知りもしないことを見てきたかのように語るのか不思議である。
 

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青山繁晴氏

 テッシーとある種同じ臭いを放ってるので、ついでに触れておくと、この青山繁晴氏の言うことも妙である。

 http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid311.html

 緒方被告の記者会見発言にはたしかに心理工作の要素が認められるが、主か従かと言えば、あくまで従と評価すべきである。

 そもそも、筆者がひたすら首を傾げるのはこの総聯リーク説である。

 未だにこれを唱える人は多い。

 しかし、わざわざそんなことをしなくても、勘のいいメディアも整理回収機構も、遅くとも5月下旬から連日、登記をチェックしていたのである。当然、法務局は公安調査庁と同じく法務省と同じ傘の下にある組織である。無論、公安警察は鵜の目鷹の目で総聯の動向を注視している。


 必ず外部に漏れる。登記は誰でも閲覧できるのだから当たり前である。わざわざリークなんぞするまでもなく、直ちに明らかになるのである。

 実際、「統一日報」が登記を察知したのは、変更手続後、閲覧が可能になった2007年6月8日ではないか。

 そんなことも踏まえていないのだろうか?

 別に裏情報なんぞなくても、ちょっと常識的に考えれば分かる話である。

 もしリークということがあり得るとすれば、それは一連の取引が完全に偽装されていた場合である。たとえば、ダミーの会社を立てて、ちょっとやそっとでは公調ないしそのOBの関与が分からないようにしていた場合である。

 その場合はたしかに、どういう動機か分からないが、総聯が途中で情報をリークする意味がないでもない。

 しかし、今回のケースでは当事者である投資顧問会社の代表が緒方氏なのであって、それも登記されている。公然情報である。緒方氏の名前などマスコミ人ならすぐピンと来るし、そうでなくてもちょっと調べれば、その日の内に素性が割れる。自宅住所も登記されているから、そこに行って聞き込みすれば一発である。いや、わざわざそんなことをしなくても、緒方氏の名前をグーグル検索するだけでも簡単に元長官だと分かる。

 つまり、どちらも最初から隠していないし、だからこそ自分達から広言する必要もなかったということだろう。

 なんでこんなことが分からないんだろう。本当に不思議である。

 インテリジェンスとか、分析とか、どうとかこうとか言う人は多いけれども、こういう常識的な判断ができず、ひたすら思い付きでストーリーを捻り出しているようでは失格である。

 すなわち、筆者に言わせれば青山氏もインチキである。

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『ウルトラ・ダラー』氏

 http://www.ryuichiteshima.com/books/ultra/nami_200711.htm
 <『ウルトラ・ダラー』をめぐっては、出版直後から数奇な出来事が次々に持ちあがった。拉致や密輸の舞台となった新潟、横浜、小樽の書店からは瞬時にして本が消えてしまった。そして極めつけは、ディスインフォーメーションという名の情報戦が『ウルトラ・ダラー』仕掛けられたことだろう。この作品に書かれた「嘘のような真実」は、じつは「事実に見せかけた虚構」にすぎない――こうした情報がまことしやかに諜報世界に流布されたのだ。情報の震源地は、伝説の二重スパイ、ゾルゲもかつて特派員をつとめた「フランクフルター・アルゲマイネ」紙だった。平壌製のドル紙幣は、CIAが自ら偽造した疑いが濃いと報じたのである。北朝鮮が基軸通貨ドルに挑んだ「通貨のテロリズム」は、アメリカの諜報当局による自作自演だったと言いたいらしい。>

 原田氏がすでに書いているけれども、筆者も簡潔に記す。

 http://www.amazon.de/Geldmacher-Das-geheimste-Gewerbe-Welt/dp/3527501134

 ベンダー記者のドイツ語版原著『Geldmacher』が刊行されたのは2004年7月である。
 その後、2006年2月に「FAZ」の第一弾が出て

 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~E56006D10772F4D07BA0EEFDB504250D5~ATpl~Ecommon~Scontent.html

英訳改訂版『Moneymaker』が出るのは同年5月である。

 http://www.amazon.com/Moneymakers-Secret-World-Banknote-Printing/dp/352750236X

 そして今回の2007年1月の「FAZ」記事が出る。

 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~EE773DF6A8F2446F2BBB6CBA26E7F6816~ATpl~Ecommon~Scontent.html

 つまり、ベンダー記者は同月、突拍子もなく、自説を展開し始めたのではなく、数年前からそう言っているのである。
 『ウルトラ・ダラー』の発売日は2006年2月28日。
 「FAZ」第一弾と前後する話である。しかし、上掲の手嶋氏記事は2007年11月のもので、おそらく同年1月の「FAZ」記事のことを指しているのだろう。
 どちらにせよ、ベンダー記者がこのネタを持ち出すのは、2004年7月に遡り、そこですでに米国情報機関の謀略の可能性を示唆している(同書262頁)。
 当然のことながら、ベンダー記者は一貫して、手嶋氏のことなど触れていない。残念ながら、極東の島国のインテリジェンス専門家のことなど、まったく知らない様子なのである。ベンダー記者がドイツ語原著で取り上げているのは、手嶋氏なんぞではなく、2004年6月放送のBBC「パノラマ」である。 

 http://news.bbc.co.uk/nol/shared/spl/hi/programmes/panorama/transcripts/superdollar.txt

 つまり、手嶋氏の元ネタである。 
 無論、以上のことは単にベンダー記者がずっと前からそう言っていたというだけのことで、だからと言ってベンダー記者の指摘が正しいことの証明にはならない。筆者が見るところ、ベンダー記者のトーンは徐々に微妙に上がっているし、「パノラマ」の引用も歪曲されている。
 筆者がここで注目したいのは、ベンダー記者が正しいかどうかということではなく、それをあたかも自著に対する挑戦であるかのように大仰に描いて見せる手嶋氏である。
 無知なのか、確信犯なのか、おそらく前者だと思うけれども、この間抜けさ、夜郎自大振り・・・皆さんお分かりになります?
 一言で言えば、いわゆる「電波」である。
 無知であることは必ずしも恥ずべきことではないけれども、オレが知らないことは何もないと云わんばかりなので、滑稽なのである。
 要するに、落合某とか北芝某がちょっと高級になっただけで、本質は同じである。
 インテリジェンス談義というのは一般的に言って、所詮その程度の法螺話なので、読者の皆さんはそろそろ「スパイごっこ」のストーリーから卒業すべきである。
 しかし、小説(フィクション)をインテリジェンスって言うんだからねぇ・・・だったら、何でもありじゃん。まったくどうかしてるよ、書くほうも、全部真に受けるほうも。

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自家製広告

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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名誉毀損

 以前、弁護士会館で開かれた勉強会に参加した際、佐藤氏はなぜか自分の発言も含めた会の状況をICレコーダーで記録していた。

 普通、こういう場で「言った言わない」という争いが起こるとも思えないが、何らかの分析の用に供しているのだろう。

 ところで、まったく別件である。

 別に筆者があれこれ心配する必要もないし、原田氏も心得ているとは思うけれども、閉ざされた会場の発言だからと言って、特定人物に対する批判がエスカレートしないように、慎重に表現を選ばなければならない。

 でないと、せせこましい陰険な人物が原田氏の発言をこっそり録音して、ここぞとばかりに揚げ足を取って、法的攻撃を仕掛けてくる可能性があるからである。

 世の中には、何かと言うと、弁護士を担ぎ出してくる、そういう変な訴訟マニアがいるからである。

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「右翼に言うぞ。」

 ああ、そうそうまったく別件で、今までの話と全然関係ないけれども、人様のブログ記事を勝手に抜粋、転載する。

 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20070511

<さらに前に記した通り、佐藤は大鹿記者に対して「右翼に言うぞ」と告げたという。これは脅迫罪である。『週刊新潮』の記事では、佐藤は、大鹿氏が「すぐに謝った」ことに怒っており、大鹿氏が「逃げた」とされているが、脅迫すれば逃げたくもなろう。もっとも、ではなぜ佐藤は、私のコメントについて私自身に問うてこないのか。逃げているのは佐藤ではないのか。(本格的に逃げたのは、『AERA』の記事の際、私との対談を断った柄谷だが)>

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1月19日の原田武夫氏講演会について

 以下は思考実験である。

 仮に筆者が何らかの事情で原田氏を敵視する攻撃者であり、かつ「週刊新潮」誌上で原田氏の攻撃記事を仕掛けたとする。

 この記事は、取るに足らないネット記事を大仰に取り上げたものだが、ネタの前振りとしてはよく出来ている。

 つまり、まず「原田は国賊だ!」という簡潔なメッセージを作成できる。

 そして、これを前提としながら、新刊書についてもこんなふうに言える。「原田は国賊だ!だから北朝鮮の肩を持っている。」

 こういうメッセージは、「論理以外の形容し難い何ものか―観念だか、概念だか、刺激だか名指しできないもの―によって動いている」者には極めて有効である。

 これらは単なるメッセージに過ぎないのか?

 違う。

 たとえば、原田氏が開く公開の講演会は一つの有力な攻撃ポイントである。

 http://www.haradatakeo.com/

 集会場で、新潮記事のコピーや糾弾ビラをばら撒いたりできる。

 会場に手の者を侵入させるのも一法である。不正規発言を繰り返し、質問の場を借りて好き勝手な主張を展開し、原田氏を攻撃する。

 街宣は届出がいるので面倒だけれども、あるいはゲリラ的にそういう活動もあるやも知れぬ。

 もちろん、以上は単なる妄想である。

 ところで、インテリジェンスの第一人者である佐藤優氏によれば、「相手の嫌がることをやるのがインテリジェンス」だという。

 そういう意味で言えば、筆者も「嫌がらせ」のプロである。「嫌がらせ」については定評のある筋金入りのプロである。

 かつ筆者自身も様々な嫌がらせを受けてきたので、そういうことをすぐに思い付くのである。

 無論、以上は単なる杞憂である。妄想である。

 しかし、一応原田氏は、十中八九何もないとは思いながら、最悪のケースを想定しておくべきだろう。

 所轄がどれだけ協力してくれるのか分からないが、臆病なようでも一応、経緯を話して事前に一報ぐらいは入れておくべきだろう。警備要請するのは間抜けだけれども、ひょっとしたら混乱があるかもしれない、と事前に言われれば所轄も助かる(もっとも、これを見ても、見なくても公安が勝手に視察に出向くかも知れぬ)。

 それに質問はともかく不正規発言やビラ配布には速やかに対処できるような方法を考えておくべきだろう。

 「いやあ最近、妙な奴に絡まれてますねん。というのも、これこれこういう事情で、こいつが・・・」

とスマートにフォローして、聴衆の笑いを取りながら、その動揺をおさめるのも必要である。

 とはいえ、それでも本当に攻撃の意志を持ったものは止められない。

 何らかの対決は避けられぬかも知れぬ。

 その時こそ原田氏の真価の見せ所である。原田氏は何ら動じることなく、挑発者を一喝すべきだろう。喧嘩の場面である。その時に格好のいい啖呵を切れるように、あらかじめ口上も考え置くべきだろう。

 そういうイベントがあったほうが、かえって講演が盛り上がって面白い。
 
 むしろ、これはチャンスなのである。

 本当の挑発者を引きずり出して、見せ場を作るための。

 なんだか面白そうなので、筆者も足を運ぼうかしらん。


新刊記念講演会開催決定!!

◇開催日時:2008年1月19日(土)
       18:30開場/19:15開演/21:30終了予定

◇開催場所:杉並公会堂 大ホール 
       〒167-0043 東京都杉並区上荻1-23-15

◇アクセス:JR中央線・丸ノ内線「荻窪駅」北口徒歩7分
       会場への地図はこちら

◇講演会プログラム
18:30 開場
19:15-20:30 記念講演会
20:30-20:50 祝典演奏
演奏:澤田智子
20:50- 質疑応答(約10分)
21:00 終了予定

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一滴の会

 国士ならば佐藤氏の言説に対して本能的な警戒感を抱くのではないか、そんなふうに筆者は想像してみたりもするのだが、実際の右翼の方々はそうでもない様子なのである。

 http://shinomiya-m.txt-nifty.com/diary/2007/09/post_9799.html

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櫻井よしこ氏への意趣返し?

 「佐藤優のワシントンポスト意見広告への嘲笑」

 http://watashinim.exblog.jp/6931346/

 純粋技術的見地から評価すれば、「意見広告」は「認知操作」に対する対抗手段としては拙劣である。
 ただ彼らは真摯であり、毅然としている。
 日本政府が同じように「毅然」とした対応を取ったならば、同じく純粋技術的見地からして、もっと深刻な事態を招いただろう。
 良し悪しは別として、「毅然」とすることに本質的な違いはない。
 にも拘わらず、佐藤氏が「意見広告」に因縁を付けたのは、おそらく櫻井よしこ氏が名前を連ねているからである。

 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/y/64/

 櫻井氏のせいで新潮ドキュメント賞を落とされたと思って、そのことを未だに根に持っているのである。これは複合的な情報に照らした上での筆者の想像である。

 http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20050922bk09.htm
 
 この読売記事は明らかに佐藤氏寄りだが、櫻井氏がなぜ落としたのかと言えば、おそらく本当のところ、「この佐藤という男は左右、その場に応じて都合のいいことを話す信用のできない奴ね。きっと、左右両翼を取り込んで世論操作を画策している影響要員に違いないわ」というぐらいに考えたのだろうと思う。どこまで櫻井氏が根拠を掴んでいるのか分からないが、直観的にそう感じているのだろうと思う。だから、たぶん佐藤氏は怒っているのである。

 櫻井氏は良くも悪くも案外、骨のある人かもしれぬ。

 ただ、まさか櫻井氏に内容証明を送り付けるわけにはいかないので、上のように女々しい当て付けを言っているのだと思う。

 これは単に櫻井氏及び佐藤氏の内面を推し量った筆者の単なる文学的想像である。

 思想がどうこうとかいうより、全部そのレベルの話で解釈したほうが、佐藤氏の発言は腑に落ちる。

 なお、以上は単に筆者の「評価」に過ぎず、公然と「事実」を摘示するものではないので、名誉毀損には当たらない。

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1月17日にピープルズ・プレス「NPJ」設立記念講演・集会

 ファックスの差出人欄に「弁護士」という文字が見えたので、「とうとう来たか」と思ったけれども別件で、こちらの案内である。

 http://www.news-pj.net/

 1月17日に設立記念講演・集会が開かれるという。

 http://www.news-pj.net/npj/20080117.html

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「公開討論会」の提唱

 佐藤氏は金光翔氏の論文が不服なら、面倒なことはせずに、反論を書いて「インパクション」編集部に送り付ければいいのである。
 
 それだけの話である。

 それでもし「インパクション」が掲載しなければ、その時は自分の連載なり、本なりで、そのことを批判すればいいのである。

 ただ、それだけの話である。

 なぜ、そんな簡単なことをやらないのか?

 それは恐らく、金氏の指摘が余りに正鵠を得ているので、正面からの反論が出来ないのである。

 佐藤氏は一度、金氏、原田氏と公開討論会でも開いて、彼らを論破して見せたらどうか?

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田中森一氏に対する捜査の展開

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 当ブログでも過去何度か、「検察は執念深いから攻撃すれば絶対に報復がある」云々と記したことがある。
 例の田中森一氏を未公開株詐欺容疑で当局が捜査中なのだという。

 http://accessjournal.jp/modules/weblog/

 もちろん、これは単なる噂で、当局が牽制球を投げただけかもしれないから、これからどうなるかは分からない。
 しかし、田中森一氏で注目されるのは、またもや佐藤優氏の発言である。

 http://yaplog.jp/ittekinokai/
 http://www.fujisan.co.jp/Product/788

 植草一秀氏の事件で、スパイ・宮崎学氏

 http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no01/f2019sm2.htm

は恥ずかしい対応振りに終始してその本質を露呈し、

 http://takabsd.jp/d/?date=20081209
 http://web.chokugen.jp/miyazaki/2006/09/23_d2e4.html
 http://moura.jp/scoop-e/chokugen/special/060324/index.html

一方、佐藤氏は「オレは関係ない」ということをアピールしつつ、いつもの屁理屈を並べて逆に格好を付けて見せた。

 http://web.chokugen.jp/sato/2006/09/post_e536.html

 筆者が思うのは、「仲間になって多かれ少なかれ擁護したからには最後まで守り通せよ」ということである。
 彼らは、「植草氏に対する攻撃は国策捜査であり、我々に対する攻撃である。全力で報復する」とでも宣言すべきではなかったのか?
 それをしないのは、実際のところ、彼らの「国策捜査」なるものが単なる看板広告に過ぎず、内心、ちっとも信じていないからである。
 さてさて、今回はどういう言い訳をするんだろうか?
 「これぞ国策捜査の証左」とでも騒ぎ立てるんだろうか?
 「国策捜査」なるものだとしたら、彼らも「国策捜査」の対象にされ、あるいはされつつあるはずだから、決して人ごとではない。
 遅かれ早かれ自分の番が来るから要注意である。
 以上はあくまで彼らの主張であり、その当然の論理的帰結である。
 しかし、おそらく佐藤氏は自分だけは絶対に大丈夫だと思っているタイプである。だから、あっさり転落したのである。
 佐藤氏はたしか「転び公妨」を肯定しているから(つまり、国策捜査の肯定!)、自分がそれと類似の罠に嵌められても文句は言えぬ。
 「インパクション」の編集部なんぞに出向いている場合ではない。
 
 
<付記>
・言うまでもなく、安田好弘氏は検察を批判する者である。
・魚住昭氏も検察を批判する者である。一頃は検察も、魚住氏の批判にだけは密かに真摯に耳を傾けていたという。しかし、おそらく今は評価を下げている。

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論理

 佐藤氏の言う“論理”とは、要するに「オレの話が分かる奴は優秀、それ以外はバカ」という程度の話である。

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侮蔑

 佐藤氏はこういう侮蔑的な発言をしても、何らの危険も恐れる必要がない。それどころか実に理に適っている。
 というのも、佐藤氏の読者はおそらく一人残らず、自分はその「5%」のほうに属していると考えるからである。
 むしろ、かく述べることで、彼らの自尊心をくすぐっているのである。
 かくて佐藤氏は易々と、彼の言う「95%」の層に浸透することができる。
 本当のところ、「5%」はおそらく佐藤氏を信用しない層である。彼らは大概、所詮は自分が「95%」に過ぎないことを自覚しているに違いない。したがって、佐藤氏の侮蔑に反発を覚えるが、そのような者は切り捨てて構わないのである。なんせ「5%」に過ぎないのだから。
 なんという論理!なんという経済合理性!
 無論、断るまでもなく、筆者のこの記述は佐藤氏の読者に対する侮蔑である。そして、これは間違いなく危険な発言である。必ず彼らの敵意を喚起するからである。

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佐藤優氏の愚民観

「冷静に考えると、論理などというのは、わが日本においては、総人口の五%ぐらいの世界でしか通用しないのではないか。九五%は論理以外の形容し難い何ものか―観念だか、概念だか、刺激だか名指しできないもの―によって動いていると考えたほうがいい。そういう人々に対して、論理で物事を説明しようという発想自体が、そもそも間違っているのかもしれません。」
(佐藤優「国家論 日本社会をどう強化するか」(日本放送出版協会)から引用)

そうかなあ? しかし、佐藤氏を支えてるのは、圧倒的にその95%のほうだと思うけれど。

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新刊「北朝鮮VS.アメリカ」(ちくま新書)の核心部分を大公開!!(その1)

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/de15e83c09918283d6a45c01f4288e5e

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法的手段

 以前、消費者金融の武富士が、盗聴事件等を暴露されて、筆者を含むジャーナリスト複数を名誉毀損で提訴した際に、筆者らは直ちに反訴した。
 結局のところ、武富士は訴権を濫用したことを認め、全面的に謝罪している。
 その当時、我らがスパイ・宮崎学氏は何と言ったか?

 http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no01/f2019sm2.htm

 「表現者たるもの、法的手段に訴えるのは表現者としての矜持を捨てている」「反体制を気取るものが権力を利用するのはおかしい」とかなんとか、もっともらしく語っていたのである。
 なぜ、スパイ・宮崎学氏は当時そんな御高説を垂れたのか?
 というのも、スパイ・宮崎学氏は武富士側のアドバイザーだったからである。
 一言で断定しよう。
 要するに、ただのチンピラである。いや、スパイである。「突破者」云々は、本屋が作った単なる幻想である。 
 これはすべて真実だから、筆者は堂々と書けるのである。
 そして、スパイ・宮崎学氏は表現者のはずだから、その自説に照らして、筆者を提訴できないのである。
 それはともかく、宮崎氏は同じことをちゃんと佐藤氏にも忠告しているんだろうか?
 つまり、「おい、佐藤!いちいち内容証明送りつけたり、しょーもないマネすんなや」と。
 多分、やっていない。
 というのも、宮崎氏は売れっ子・佐藤氏に本の帯を書いてもらわねばならないからである。

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そう言えば

 斜め読みしていたのでうろ覚えだけれども、たしか鹿砦社の月刊「紙の爆弾」で<「私のマルクス」を読む>を連載している山本信二氏も、「査問」を受けたのではなかったか?

 なんだか漫画的な状況になってきた。

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亀田スタイル

 案外、亀田スタイルを採用しているのかもしれない。
 つまり、自分が勝てそうな相手にだけは大見得切って喧嘩をするという・・・。

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安田好弘弁護士

 筆者は公調在籍時代から、安田弁護士というのはそれなりに筋の通った人なんだろうと思っていた。

 ところが、宮崎学氏の一件の時の立居振舞を見ていて、以外に御都合主義だなという印象を受けた。

 http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no01/f2019sm2.htm

 要するにこの辺は全部ツルんでいるのである。

 こういう使い途があるので、佐藤氏は宮崎氏を押さえておく必要があって、それに気付いているのかいないのか、ほいほいお先棒を担いでいる安田弁護士はまったくどうかしている。

 意外に底が浅い。

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仰天!明日<佐藤優・安田好弘弁護士・『インパクション』編集長による会合>

 「佐藤優と、その意を受けた安田好弘弁護士の強い要望により、佐藤・安田氏と『インパクション』編集長との三者の会合が、1月10日に開かれるとのことである」(以下こちらに)

 http://watashinim.exblog.jp/6904990/

 こう言ってはなんだけれども、なぜ佐藤氏が「インパクション」の記事にいちいち神経質に反応するのか不思議である。佐藤氏のほうが圧倒的に影響力があるのだから、泰然自若としておればいいのに。

 佐藤氏は、佐藤氏をスパイ呼ばわりした柏原竜一氏や文藝春秋にも同じように「粘着」したんだろうか?

 http://202.239.151.196/mag/shokun/shokun0705.htm

 佐藤氏はやはり筑摩書房にも談判に押しかけるんだろうか?

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影響要員(agent of influence)

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 たとえば、近親者間の暴力なんてのは昔からあったんだろうけれども、それにドメスティック・バイオレンス(DV)という言葉が与えられることで、誰もが直ちに明瞭に問題を意識することができる。
 妙に塞ぎこんでいたり、体に痣があったりすれば、「この子はDVを受けてるんじゃないか」というように直感する。
 つまり、DVという言葉と概念が先にあるから、「あれはDVの兆候に違いない」などと考えることができる。DVという言葉を知らなければ、たまたま元気がなかったり、どこかで転んだりしただけだと思うかもしれない。重要なサインを見逃してしまいかねない。
 たしかに、自分自身が同じような体験をしたり、そういうことに勘の働く人は「DV]を知らなくても、起こっている現象を察知できるだろう。しかし、もしDVという言葉がなければ、その概念を他人に迅速かつ効果的に伝えるのは難しいに違いない。
 言葉にはそういう力がある。
 ドメスティック・バイオレンスは言うまでもなく外来語で、直訳すれば文字通り家庭内暴力である。しかし、おそらく一頃の世代は特に、「家庭内暴力」と聞くとむしろ子供の非行を連想することだろう。だから、DVという言葉が使われるのは、そういう外来語の濫用の良し悪しは別として、やはり意味があるわけである。
 
 諜報の分野でも意外にこの種の言葉は多い。
 現に「インテリジェンス」という言葉そのものが外来語である。なぜ、諜報という言葉があるのに、インテリジェンスと言い換えられるのか? それにはいくつか理由が思い当たるし、筆者は原則「諜報」という言葉を使うべきだと考えているが、それは今回は関係ないので省略する。

 「インテリジェンス」はともかく、英語の資料を読んでいると、「あれこの言葉、公安調査庁では何と言ったかな?いや、そもそもそんな言葉使ってたっけ?」と思うような用語が頻出する。
 たとえば、"agent of influence"という概念がある。

 "agent of influence"とは、「諜報上の指示の下、公けの立場その他の手段を利用して、対象国の政策、世論、特定事件の展開、政治組織・政府機関の活動に影響力を行使する要員」のことである。
 Edited and Introduced by Vasily Mitrokhin, "KGB LEXICON: The Soviet Intelligence Officer's Handbook", London, FRANK CASS & CO.LTD, 2002, p.3 
 現在のところ定訳はない。筆者は「影響要員」と訳している。

 "agent"は厳密には、情報機関の職員ではなく、それが獲得した協力者のことである(もっとも、職員をエージェントとする例も散見される)。たとえば、CIAなら、協力者(スパイ)獲得工作に従事するのが、正規職員たるケース・オフィサー(case officer)であり、ケース・オフィサーが獲得・運営するのがagentである。ちなみに、「協力者」「獲得」「運営」というのは公安当局で日常的に使用されている用語である。
 したがって、厳密には「影響協力者」と言うべきかもしれない。しかし、少し長くなるのと語呂が悪いので「影響要員」としている。

 たまたま上にミトロヒンの文献を挙げたけれども、彼だけが使っている独自の言葉などではなくて、諜報の教科書(英語文献)を開けば、どれでも必ず一節が設けられている基礎的な概念である。
 ロシア対外情報局(SVR)も以下のようにこれに対応するロシア語を掲げている。
 http://svr.gov.ru/smi/2005/tribuna20050324.htm

 かつてレフチェンコが運営していた日本人協力者も、その少なからぬ部分は単なる情報提供者などではなく、「影響要員」である。そう明記されている。

 筆者は余り他人の書いたものを読んでいないので断言はしないけれども、筆者の知る範囲では国内で意識的にこの言葉を使っている人をあまり見ない。使っている場合でも、それ自体を一個の概念として正確に捉えている例は少ない。

 実務者も同じである。公調でもこれに対応する言葉が使われていた記憶がない。しいて言えば、公調では「対日働き掛け」、公安警察では「対日有害活動」という言葉を使うけれども、これはもっと包括的に対日カバート・アクション(アクティブ・メジャーズ)全体を指している言葉だし、それに関わる者を指す言葉では勿論ない。

 なぜ余り浸透していないのかと言うと、おそらく一つには、intelligence のように一語の名詞ではなくて、名詞句になっているからだろう。
 だから、基本的な理解のない人が読むと、「あれ普通のエージェントと違うのかな? オブ・インフルエンスとか付いてるけれど」などと思うのだろう。

 もう一つの理由は、おそらくごく基礎的な文献に目を通していないのである。だから、そもそもそれが一個の独立した概念であることを知らないのだろう。

 酷いのになると、勝手に単なるエージェントとして訳してしまう。そうでない場合も、たとえば「影響力のエージェント」などとしている場合がある。

 「影響を及ぼすエージェント」という意味では、間違いではないけれども、筆者は句の形ではなく、たとえば「影響要員」という語で訳すべきだと考えている。

 実際、たとえばウィキペディアでも、"agent of influence"で独立した項目が立てられている。

 http://en.wikipedia.org/wiki/Agent_of_influence

 グーグル検索すると"agent of influece"に完全一致する結果は8万8千件ある。

 一個の概念であることを明示するために、「影響要員」という一語で表現すべきである。だいたい、いちいち「影響力のエージェント」などと記していたら、まどろっこしくて仕方がない。

 以上の話は、単なる瑣末な表現の問題なのであって、筆者が薀蓄を垂れているに過ぎないのか?

 断じて違う。

 「影響要員」という言葉が定着して初めて、その概念を明確に捉えることができる。
 
 「影響要員」がどういう活動を任務としている者なのか、「影響要員」の過去の実例やその手法についても理解できる。

 「影響要員」の特徴も分かる。たとえば、情報収集よりはむしろ世論工作を任務とするのが「影響要員」である。

 何から何まで諸外国の基準に合わせる必要はないけれども、事象をより明確に分節する言葉があって、それが有用であるならば、積極的に導入して、これに日本語を当てるべきである。カタカナ語の濫用は厳に慎むべきである。

 同じようにカバート・アクションという重要な概念にも、やはり定訳はない(筆者は端的に「謀略」の語を当てるべきではないかとも考えている)。そういう言葉がとにかく多い。
 
 「ケース・オフィサー」もそうである。新聞などではよく「工作員」という言葉を当てている。協力者工作に従事しているという意味ではたしかに「工作」員かもしれないが、おそらく一般に工作員という言葉でイメージするのは、たとえば北朝鮮の「工作員」、つまり「カバート・アクション」の実行者としての「工作員」だろう。これも誤解を与える表現である。
 CIA退職者の論文・手記等々によると、ケース・オフィサーでカバート・アクションに常時従事しているのは例外的だという。つまり、むしろ地道な協力者工作が主流だということが分からなくなってしまう。
  
 地に足の付いた諜報論議をするためには、まず基礎的な概念を整理・共有して、これに対する訳語を統一すべきである。

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想像

 想像するに、緒方氏はそういう陰謀を巡らしつつ、満井氏と密談しているのがもう楽しくてたまらなかったのである。オチャメなのである。少年のように心をときめかせていたのである。ちっとも、可愛げはないけれども。

 実際、「時めく」というのは良く出来た言葉だなあ、と思う。哲学的ですらある。たぶん、こういうゲームをやっている時に「生きてる」という充実感が横溢してくるのだと思う。回春である。案外、本当の犯行動機はその辺かもしれない。

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放置

 以下も、単なる思い付きである。
 「週刊朝日」(2007年11月2日)によると、「当初、PCI元社長側だった2人(野田注:緒方氏と満井氏)はその後、寝返って元社長を告発する立場にまわった」のだという。
 しかし、そうだとすると、元社長と対立していた社内チームが社長側の緒方氏に接近したことになる。仮に「週刊朝日」のとおりなら、なぜ社内チームが緒方氏を信頼することになったのか、その経緯が不可解である。
 その場合、社内チームが緒方氏について、「すごく有名な弁護士を紹介してもらった。弁護士会の重鎮」などというある種ナイーブな印象を抱くはずもない。これは明らかに緒方氏の何たるかを知らない者の感想である。つまり、少なくともその時には社内チームは緒方氏と元社長の関係を知らなかったし、緒方氏も何も告げていなかったものと考えるしかない。
 実際、緒方氏の当時の活動振りについては諸説あるのだという。
 もっとも、こういう世界では、あっちに付いたりこっちに付いたりするのは別に珍しい現象ではない。むしろ、それが常態である。
 ごくごく単純に考えると、緒方氏は両方と密かに手を握って関係を維持しながら、最終的にカネになるほうに付こうとしたと解釈するのが一番スッキリしている。
 そしてさらに勘ぐると、緒方氏は実は元社長の意を受けて、社内チームに接近したということだって考えられなくはない。元社長の不利益になるように見えて、状況をコントロールする位置に立つことができる。社内チームの動向は筒抜けである。
 あるいは、こんなふうにも元社長に囁いていたかもしれない。
 「安心してほしい。検察の動きは僕のほうで押さえておくから。」
 結局、当時PCIは処分を受けたけれども、遺棄化学兵器の件は事件化されなかった。
 なぜ事件は今まで放置されたのか?
 これはこれで妙な話である。

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原田武夫氏『北朝鮮vs.アメリカ』で佐藤優氏らを徹底批判

 元外交官の原田武夫氏による『北朝鮮vs.アメリカ 偽米ドル事件と大国のパワーゲーム』(ちくま新書、今月8日発売)が少なからぬ頁を割いて、北朝鮮によるスーパーノート偽造をめぐる佐藤優氏、手嶋龍一氏の主張を批判している。

 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4480064052/
 http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/cedc3dcc9cb0f3911a636bfdc744c59d

 書籍の形で本格的に佐藤氏らを批判するのは原田氏が初めてかもしれず、多かれ少なかれ「物議を醸す」ことが容易に予想される一冊である。
 もっとも、賛否はともかく、その議論の方法は穏当で、当然のことながら誹謗中傷の類などではない。
 実は同書では、拙著『諜報機関に騙されるな!』(ちくま新書)が複数個所引用されている。しかも、佐藤氏らを批判するくだりの、かなり重要な前提事実として掲げられている。
 結果的に、見る人が見れば、両者が暗に対比されているように感じられなくもない印象を醸し出している。
 それは一向に構わないというよりも、筆者如きを典拠に挙げていただいたことを素直に喜ぶべきなのだけれど、不思議なのは奇しくも筆者が原田氏のちょうど1か月後にやはり同じく筑摩書房から新書を出すことになっている点である。
 タイトルは『心理諜報戦』で、テーマは「認知操作(パーセプション・マネージメント)」である。

 http://espio.air-nifty.com/espio/2008/01/post_e5a0.html

 したがって、やはり“見る人が見れば”、タイトルから内容をあれこれ推測しつつ、原田氏と筆者があたかも事前に示し合わせていたかのように考えるかもしれない・・・。
 しかし、これはまったくの偶然である。筆者は原田氏とは一面識もないし、今日現在に至るも、直接・間接を問わず一切連絡を取ったことがない。
 筆者は『北朝鮮vs.アメリカ』の刊行を筑摩HP上で昨年12月初旬に初めて知った。担当編集者も違っていて、相互に調整している形跡がない。当然、企画会議には上がっているだろうけれども、”いろんな意味で”内容的に交錯する可能性があるかもしれない、などという発想自体がそもそも編集者にはなかったに違いない。だからこそ、皮肉とも言うべきか、今や佐藤氏の太鼓持ちとも言うべき宮崎学氏の新書が今月、原田氏と同じラインアップで筑摩書房から出る。

 http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no01/f2019sm2.htm

 『心理諜報戦』でも、FAZの件

 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~EE773DF6A8F2446F2BBB6CBA26E7F6816~ATpl~Ecommon~Scontent.html
 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~E56006D10772F4D07BA0EEFDB504250D5~ATpl~Ecommon~Scontent.html

にはコラムの形で簡単に触れているが、もし原田氏が先に出すことを知っていたら、筆者はその部分を割愛したことだろう。一冊の本が解説しているものを、たかだか数頁で触れるのはどうしても見劣りするからである。しかし、もう気付いた時点では大幅な変更は不可能だったのである。
 それに、この件についての見解や印象を筆者は原田氏と若干異にしている。その点からも、連動した企画などではないことを読者は容易に理解できるだろう。


(付記1)
 原田氏の拙著引用部分は、筆者の独自見解などではなく、その気になれば誰もが公的な公然資料で確認できる客観的事実である。いわば何人も覆すことの出来ない数学的真理のようなものである。
 したがって、原田氏を攻撃するために、筆者に対して攻撃を加えるのはお門違いである。念のため。

(付記2)
 言い換えると、原田氏が筆者を引用する必然性は必ずしもなかったと言えなくもない。

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PCIと緒方重威被告

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 末尾に掲げる読売新聞記事。

 実はこの記事が言う、遺棄化学兵器処理事業を巡る水増し請求事件に関する告発状(怪文書的な告発文ではなく、刑事訴訟法上の告発状)が東京地検に提出されたのは、今からおよそ2年半前に遡るのだという。つまり、2年半もの間、放置されてきたらしいのである。

 告発状の内容は、まさにこの遺棄化学兵器の件なのだという。

 告発状は、荒木元社長の不正を追及する社内チームが作成したものらしい。その告発状を当時入手したのは東京地検。それともう一か所は、社内チームが告発状の作成を依頼した弁護士グループである。

 その代表格が誰あろう、緒方重威・元公安調査庁長官だったのである。
 社内チームは当時、「すごく有名な弁護士を紹介してもらった。弁護士会の重鎮」などと緒方氏を信頼し切っていたのだという。

 怪文書ではなく、告発状なのでマスコミには配布していない。
 ところが、明らかに複数のマスコミがその内容を把握しているのだという。リークしているとすれば、東京地検以外に考えられない。いわゆる「風を吹かす」という作業である。

 緒方被告は、どんなに遅くとも2005年半ばにはPCIの核心的な内情、特に遺棄化学兵器処理事業のカラクリを把握していたことが推測される。
 


遺棄兵器処理で水増し請求 PCI元社長ら詐欺容疑で立件へ/東京地検特捜部
2008.01.01 東京朝刊 1頁 表有 (全1,257字) 
 ◆1億2000万円詐欺容疑 リスクなしの独占契約
 国が中国で進めている遺棄化学兵器処理事業を巡り、大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)が、事業費を約1億2000万円水増しして国に請求していた疑いが強まったとして、東京地検特捜部は月内にも荒木民生元社長(71)らを詐欺容疑で立件する方針を固めた。PCI側は、経済上のリスクを一切負わず事業を独占受注する契約を国と結んでいたことも判明。特捜部は、巨額の国費が投じられる同事業を巡る不透明な資金の流れや、PCI側に有利な契約が結ばれた経緯などの解明を本格化させる。
 特捜部は昨年10月に同社などを捜索した後、事業を発注した内閣府から段ボール箱約100箱分の資料の任意提出を受けたほか、荒木元社長や先月退任した多賀正義前社長(62)らから任意で聴取するなど捜査を進めてきた。
 同事業は1999年度から始まり、2004年3月以降は、PCIの持ち株会社が設立した「遺棄化学兵器処理機構」が随意契約で独占受注。受注額は06年度までの3年間で計約230億円にのぼり、事業の一部をPCIなどの共同企業体に委託した。
 関係者によると、機構設立にあたり、PCIは大手プラントメーカーと共同出資する予定だったが、メーカー側が「中国での処理事業はリスクが大き過ぎる」と難色を示したため、PCI側が全額出資することになった。ところが、機構が内閣府と結んだ基本契約は、〈1〉経済上のリスクはすべて政府が負う〈2〉処理事業は機構が独占受注する--などと機構側に極めて有利な内容となっていた。
 この契約直後、PCIグループの実質的なトップで、関連会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM)の社長を務めていた荒木元社長は、PCI幹部に「有利な契約で受注できたのは、自分が交渉したからだ」などと話し、PPMへの利益提供を求めたという。
 このため、PCIは、委託事業費を水増し請求して、不正利益を捻出(ねんしゅつ)することを考案。PCIはPPMに架空の経費を支払い、その分を上乗せした事業費を機構を通じて内閣府に請求した。水増し額は04~05年度で計約1億2000万円に上った。
 特捜部は、PPMへの利益提供について特別背任容疑で捜査していたが、PCI側の国への水増し請求が、荒木元社長の要求を受けて行われたグループぐるみの詐欺に当たると判断した。
 〈遺棄化学兵器処理事業〉
 旧日本軍が中国各地に遺棄した化学兵器を発掘・回収し、無毒化する事業。1997年発効の化学兵器禁止条約に基づき、日本政府が費用を全額負担することになった。毒ガス弾などの数は、最も多い吉林省ハルバ嶺で30万~40万発と推定される。99~2006年度に約600億円が投じられ、07年2月までに約3万8000発を回収。今後も3000億円程度が必要とされる。岸田沖縄相は同12月、08年度から随意契約方式をやめ、すべて一般競争入札にすると発表した。
 図=遺棄化学兵器処理事業を巡る事件の構図
読売新聞社

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国家安全部第8局

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 2006年11月22日に、公安調査庁職員“4名”が中国現代国際関係研究院を訪問し、「アジア太平洋における安全保障及び朝鮮半島情勢」について、同院の朝鮮研究者等と意見交換を行ったことについては以前当ブログでも指摘した。
 上記事実は、同院のHP(当時)に掲載されていたものだが、筆者の言及後、削除されてしまった。
 たまたまブログの保管庫に当時の写真(原寸)が残っていたので再掲しておく。

 061121_2

 ジェーンズ・インフォメーション・グループがまとめた"China's Intelligence & Internal Security Forces"によると、中国現代国際関係研究院は中国の諜報機関「国家安全部」の「第8局」に当たり、又の名を「調査局」と言う、とされている(同書32頁)。
 同院は、当時、在北京日本大使館の吉原俊哉・二等書記官が同席したともウェブに記載していた(写真向かって左、一番奥の短髪で顎に手を当てている人物)。
 実は吉原氏も本籍は外務省ではなく公安調査庁。1998年当時公安調査庁調査第二部第四部門に所属していた中国担当者である。したがって、実際には公調職員5名が同院を訪問したことになる。
 筆者の記憶では、写真向かって左手の書類を両手に持っている人物が梶浦祐史氏、すなわち緒方事件で関与の取り沙汰された「現職職員」である。

 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166475.htm

 梶浦氏は言うまでもなく中国担当者である。
 ちなみに、「週刊朝日」2007年11月2日号によると、「満井と緒方は05年ごろから何回か中国に渡っていた」のだという。
 正直なところ、梶浦氏の名前が浮上したのには、絶対に何らかの根拠と必然性があるものと筆者は確信している。

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「私のマルクス」を読む

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 鹿砦社から「出版ニュース」が送られてきたので掲載しておく。

 「紙の爆弾」2月号

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コピュラ

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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 あれもこれも繋がっていると言い出すと陰謀論のように聞こえてしまうけれども、こと今回に限ってはいくつかの事件を俯瞰して、その全体像を描く必要があるのかもしれない。最近、漠然とそんなふうに考えるようになった。
 といっても、この間、新書の執筆に専念にしてきたので、新聞・雑誌もろくに読んでおらず、いずれの事件のディテールもまったく知らない。ほとんど思いつきのような話である。あるいは、すでに同じようなことはどこかで指摘されているのかもしれず、特に目新しいことでもないのかもしれない。

 筆者はかれこれ2年前に以下のようなメルマガを配信したことがある(末尾に再掲)。


 http://espio.exblog.jp/75648/
<ある関係者は次のように語る。「秋山氏は、レーガン時代のSDI構想の頃からミサイル防衛システムに着目していたと豪語し、“2年ほど前からは生物化学テロ対策のビジネス”にも注目している。
 http://www.yamada.co.jp/jp/nbc/
 結論から言えば、日米間の国防利権絡みの場で生息する得体の知れない存在だ。>


 当時わざわざ山田洋行のURLを記したのは、その「ある関係者」が同社を名指し、上のように秋山氏と“生物化学テロ対策のビジネス”に言及していたからである。
 ただ筆者は愚かにも、その時、「ある関係者」が告発を望んでいるのは秋山直紀氏ないしは三菱商事であって、山田洋行はほんの脱線程度の話題に過ぎないと思い込んでいた。
 というのも、一つには、この一連の騒動はそもそも「社会新報」が2005年2月当時、秋山氏が三菱開東閣に出入りしていると報じたことに端を発しており、その記事を転載してメルマガで紹介した筆者に対し、上のような情報提供があったからである。

 http://espio.exblog.jp/75700/

 今から考えれば、しかし、それは誤りである。
 「ある関係者」が照準を合わせていたのは、間違いなく山田洋行だったのだ!
 

 秋山氏と山田洋行、秋山氏と遺棄化学兵器処理問題、PCI元社長の詐欺事件、そしてPCIと緒方重威・元公安調査庁長官。
 毎日流れているニュースを見ると、どれもこれも別々の話のように聞こえるけれども、おそらく東京地検は一定の狙いを定めてあちこち地下茎を辿っているのだろう。そして、その先にあるのは一体?

 当時は話半分に聞いていたけれども、秋山氏が「中国政府の協力者」「警視庁公安部は秋山氏を追跡」というのも案外本当だったのかもしれない。 

 これは国策捜査と言えば、国策捜査である。しかし、おそらくは正しい国策捜査である。

■復刻(メールマガジンESPIO!)
http://espio.exblog.jp/75648/
●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
==========================================================
■謎の男・秋山直紀氏と遺棄化学兵器処理問題 Vol.367 09/12/05
==========================================================
●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html


1.フォーブスのインタビュー記事
 以下のフォーブス米国版記事で、以前当メルマガで触れた秋山
直紀氏

 http://www.emaga.com/bn/?2005020087565585004359.xp010617

に対するインタビュー内容が記されている。

 http://www.forbes.com/home_asia/free_forbes/2005/0919/154.html

 見出しに「日本は事実上平和主義を放棄しつつあり、問題のあ
る米国のスター・ウォーズ・ミサイル防衛計画に、100億ドル
を投入しようとしている。それはすでに米国の納税者と防衛産業
にとっての勝利である」とある。
 文中で

 Akiyama, who is funded by Japanese politicians and U.S. and
Japanese defense contractors, also arranges private meetings
between them, the Japanese trading companies that broker U.S.
weapons and defense officials. Asked about reports that he
set up a meeting between senior military brass and Mitsubishi
Group executives at a plush company guesthouse, Akiyama refuses
to respond directly. "Japan offers good technology and can learn
from the U.S.," he says. "I connect the people involved."

とあるが、これは明らかに三菱「開東閣」での接待を指し示して
いる。
 ここで秋山氏が詳細や履歴を明らかにしようとしなかった次の
"a military officer"
 
 The son of a military officer (he declines to give details
or supply a resume), Akiyama says he was working for a politician
20 years ago and searching for a not-so-offensive "theme"
that would sell Japan on a stronger military.

とは、「長年、陸上自衛隊で勤務した父・秋山敏雄」氏のことで
ある(『新仮想敵国―わが国の安全保障政策への提言』) 。
 
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893741306/

 "a politician"は、あるいは政治評論家の故・戸川猪佐武氏を
指しているのではないかと思う。

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8C%CB%90%EC%92%96%8D%B2%95%90/list.html

2.「三菱商事は下請け」
 ある関係者は次のように語る。
 「秋山氏は、レーガン時代のSDI構想の頃からミサイル防衛
システムに着目していたと豪語し、“2年ほど前からは生物化学
テロ対策のビジネス”にも注目している。

 http://www.yamada.co.jp/jp/nbc/

 結論から言えば、日米間の国防利権絡みの場で生息する得体の
知れない存在だ。
 三菱商事は安全保障研究所

 http://www.ja-nsrg.or.jp/

の下請けだと言って、宇宙航空機本部の役職者をアゴでこき使っ
ている。
 ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオ
ンの日本支社長にどんな暴言でも吐ける人物。ボーイングのアジ
ア太平洋部門のマネージャーであるアラブ系米国人とは親しいゴ
ルフ仲間でもある。」
 昨年11月に安全保障研究所が開催した第4回日米安全保障戦
略会議

 http://www.ja-nsrg.or.jp/f2004.htm

も、三菱商事の主任クラスが現場の設営を準備したらしい。
 西岡喬・三菱重工会長も

 http://www.nikkei.co.jp/neteye5/mori/20050203n2823000_03.html
 http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm
 (基調講演 西岡 喬 日本経済団体連合会副会長)

同じく秋山氏のゴルフ仲間だという。
 三菱商事で秋山氏と接点があるのが、鍋田俊久氏と長瀬泰祥氏。

 http://prc.protein.osaka-u.ac.jp/prc/append/append_99-77_program.html
 http://www.spaceimaging.co.jp/news/ikostory/18.html

 秋山氏は『新仮想敵国』でも米国NRO(国家偵察局)

 http://www.nro.gov/

の活動を強調しているし、

 http://homepage3.nifty.com/argus/kasoteki.jpg

次の対談記事(「ビジネス・インテリジェンス」2001年2月
号)

 http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa1.jpg
 http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa2.jpg
 http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa3.jpg
 http://homepage3.nifty.com/argus/bisasa4.jpg

でも言及しているぐらいだから、リモート・センシングの分野で
特に長瀬氏との接点があるのはよく分かる(ちなみに、上記記事
中、サイバーテロの何たるかはまったく具体的に説明されておら
ず、佐々淳行氏の「個人レベルでも最低限ウイルスチェックを常
に行うことが必要です」という言葉で締めくくられている)。
 同じく防衛庁側で、秋山氏と接点のある鈴木敦夫氏とは、次の
ような人物である。

 http://www.keizaishinpo.jp/news/040810/040810e.htm
 http://linksoh.ld.infoseek.co.jp/so37.htm

 安全保障研究所は、安全保障議員協議会

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-11-07/03_02.html

事務局も兼任している。安全保障議員協議会の防衛庁側窓口は同
庁文書課長と防衛政策課事務官である。
 同庁の局長クラスと安全保障議員協議会との懇親会も定期的に
開催されている。 同懇親会は「檜会」と呼称されている。

 http://www.takebe.ne.jp/kako312.htm 
 http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm
 (来賓挨拶 武部 勤 自民党幹事長)

 忘年会や新年会等の大規模なイベントは、市谷のグランドヒル
か町村会館で行われるが、通常、安全保障議員協議会関連の会合
はキャピトル東急ホテルのほか、日枝神社内の「つきじ植むら」
も会食の会場によく使われているという。

 http://www.tukijiuemura.com/shop/23/37.html


<参考>日枝神社
 http://www.hiejinja.net/j502.htm

3.遺棄化学兵器処理
 その秋山氏について先日、ある怪情報を耳にした。
 上記関係者とは別の某関係者が力説するには、「秋山氏は中国
政府の協力者である。警視庁公安部は秋山氏を追跡している」の
だという。
 前記『新仮想敵国』では、「わが国安全保障上の最大の懸念が
中国の動向にある」「中国の経済的、軍事的強大化が周辺諸国に
驚異感を与えている」(72頁)とあるぐらいだから、まさしく
仰天情報である。常識的にはとても真実とは思えないので、きっ
と秋山氏を陥れようとする勢力が流しているデマなのだろう。
 しかし、社団法人日米文化振興会

 http://www.jpf.go.jp/j/cgp_j/intel/program/project/intro/security_14.html

安全保障研究所の秋山氏と中国政府にまつわる怪情報が流れるの
には、次のような背景事情があるからかもしれない。

 http://sv3.inacs.jp/bn/?2004010066906473003924.3407
 http://www.jda.go.jp/j/library/archives/karita/gaiyou/hon.pdf
 http://www.jda.go.jp/j/library/archives/karita/houkoku/hon.pdf

 苅田港の件は国内の老朽化学兵器だが、秋山氏は中国における
遺棄化学兵器の問題にもコミットしていると、前記関係者は指摘
する。
 以下に「遺棄化学兵器の廃棄という前例のない課題」

 http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/gaiyou.html

とある。
 それどころか、「これまでの欧米の経験と技術に学びさえすれ
ば中国における遺棄化学兵器の処理も十分可能かといえば、残念
ながらそう単純ではな」く、いくつかの点において、「本件を技
術的にも運用上も世界でもっとも複雑な未曾有の事業」にしてい
るのだという。

 http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/kiji.html

 つまり、どういう無害化処理技術が最適かは実際のところ誰に
も分からないというのが真相らしい。
 加えて中国国内における遺棄化学兵器の総量や現地での調査・
処理実態も不透明であるから、スキームの運用次第で巨大な利権
が生れる温床となるのである。

4.PCI
 この遺棄化学兵器処理の国内体制は、実に妙な構造になってい
て、内閣府の遺棄化学兵器処理担当室

 http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/

が外務省所管の財団法人日本国際問題研究所

 http://www.jiia.or.jp/

と株式会社遺棄化学兵器処理機構

 http://www.acwdc.co.jp/

にそれぞれ同じような調査・処理業務を発注・委託する仕組みに
もなっている。
 遺棄化学兵器処理機構は株式会社パシフィック・コンサルタン
ツ・インターナショナル(PCI)

 http://www.pci-world.com/
 http://www.pcitokyo.co.jp/apology.pdf

のグループ会社である。

 http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/06/19_5be0.html
 http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/07/post_7cd1.html 

5.経営工学の技術士
 上記山岡氏記事中に「さる事情通氏によれば、そこで、いま関
係者の間で再び注目されているのが、そもそも外務省管轄の財団
法人『日本国際問題研究所』の客員研究員で、その後、遺棄化学
兵器処理機構の幹部に転じた人物。同社社長はお飾りにすぎない
という」とある。
 その人物とは、明らかに庄司喜彦氏を指しているものと思われ
る。

 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-18-t985-6.pdf
 http://www.scej.org/jp_html/gyoji/kaikoku/6905.htm
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/02/010208.htm#15

 庄司氏は千代田化工建設の出身である。

6.人民解放軍の強硬派
 何でも伝え聞くところによれば、人民解放軍の中には、遺棄化
学兵器などすべて日本に送り返して日本国内で処理させよ、など
と唱える強硬派も存在するのだという。
 どうやら中国政府内にも様々な思惑を持ったグループが存在し
ており、そのためにさらに協議が不透明になっているということ
らしい。
 


<参考>
■中国における旧日本軍遺棄化学兵器処理事業の概要
http://www8.cao.go.jp/ikikagaku/gaiyou2.pdf
 中国遺棄化学兵器問題は、先の大戦時に旧日本軍が中国大陸に
持ち込んだ化学兵器が終戦後も残されたままであったことから、
平成2(1990)年に中国政府がその解決を日本政府に要請してきた
ことに端を発する。その後、平成7(1995)年9月15日、我が国
が化学兵器禁止条約(資料1)を批准し、平成9(1997)年4月2
5日、中国も同条約を批准したことから、我が国は、同条約に基
づき中国の遺棄化学兵器を廃棄する義務を負うこととなった。

■中国遺棄化学兵器の廃棄
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/cwc/china.html

■遺棄化学兵器処理事業に関する質問と答弁
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a162047.htm
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b162047.htm

http://espio.exblog.jp/75600/
●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
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■軍事ブローカー・秋山直紀氏に関する記述が「フォーブス日本
版」から完全欠落!            Vol.377 10/23/05
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html


 昨日発売された「フォーブス日本版」12月号の記事を見て
驚いた。
 以前、当メルマガでも取り上げたフォーブス米国版の記事

 http://www.emaga.com/bn/?2005090046442557009196.xp010617
 http://www.forbes.com/home_asia/free_forbes/2005/0919/154.html

を“翻訳”する形で、「着々と進む日本の再軍備」と題する特
集記事が掲載されているのだが、原文記事では3パラグラフ強
にわたる秋山直紀・日米文化振興会安全保障研究所長

 http://www.ja-nsrg.or.jp/nitibei.htm

に関する記述が、翻訳文から丸ごと削除されているのだ。
 記事を読んだ印象は、記事のリード部分からして大いに異な
る。
 原文は次のとおりである。
 「日本は事実上平和主義を放棄しつつあり、問題のある米国
のスター・ウォーズ・ミサイル防衛計画に、100億ドルを投
入しようとしている。それはすでに米国の納税者と防衛産業に
とっての勝利である。」
 ところが、翻訳文は次のようになっている。
 「第二次世界大戦以後、平和主義を掲げてきた日本だが、迎
撃ミサイルシステムをはじめ、防衛力強化の下に着々と再軍備
が進められている。このまま日本は軍事大国の道を歩んでいく
のだろうか。」
 翻訳文では「民主党と自民党の防衛政策は基本的には同じだ
。民主党もまた、自衛隊はアメリカと協力すべきであり、ミサ
イル防衛網の構築は必要だと考えている」という前原誠司・民
主党代表

 http://www.ja-nsrg.or.jp/f2005.htm

のコメントが掲載されている。
 一方、原文でこれに当たる記述はない。たしかに原文でも「
日本の二つの主要政党は平和主義を定めた憲法9条の修正を検
討中である」という記述があるが、前原誠司氏の名前など、ど
こにも記載されていない。
 翻訳者ないしフォーブス日本版の編集部が独自に取材を行い
、前原氏からコメントを取って、原文に追加したとでもいうの
だろうか?
 瑣末かもしれないが、レイセオン社

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%82%AA%E3%83%B3 

の名前が、ある箇所ではそのとおり表記されているのに、なぜ
か後段「レイトン」社と記されている。
 次のワードファイルは「翻訳」されていなかったり、文意が
異なるのではないかと思われる原文テキストの箇所を太赤字で
表示したものである。

 http://homepage3.nifty.com/argus/forbes.doc

 ちなみに、フォーブス日本版を発行しているのは「株式会社
ぎょうせい」。
 「中央、地方官公署の下命により、法規書、例規類集その他
を発行」してきた同社は

 http://www.gyosei.co.jp/kaisya/gaiyou.html

平成17年版の防衛白書も発行している。

 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4324077231/

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認知操作―『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書)

『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書)が論じるのは「認知操作」(パーセプション・マネージメント)である。

http://www.dtic.mil/doctrine/jel/new_pubs/jp1_02.pdf
perception management — Actions to convey and/or deny selected information and indicators to foreign audiences to influence their emotions, motives, and objective reasoning as well as to intelligence systems and leaders at all levels to influence official estimates, ultimately resulting in foreign behaviors and official actions favorable to the originator’s objectives. In various ways, perception management combines truth projection, operations security, cover and deception, and psychological operations. See also psychological operations.

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