1月19日の原田氏講演会に対する妨害の可能性

 先に1月19日の原田氏講演会に対する妨害の可能性について思考実験を試みた。

 http://espio.air-nifty.com/espio/2008/01/post_ec3c.html

 無論、これは単なる筆者の妄想である。
 しかし、若干付け足しておくと、もしそういうことが起これば、原田氏を攻撃している、人権侵害では名うての週刊誌が、またぞろネタに取り上げることができる。
 たとえば、「本誌既報の元外交官・原田の講演会を右翼が糾弾」という具合である。
 事実評価は書き手のさじ加減一つなので、「原田というケシカラン奴が右翼に糾弾されてお粗末な対応に終始」という具合に面白おかしく書くことは造作もない。
 スーパーノート云々は通常人には簡単には分からないし、興味もない話なので、そういう形で原田氏の問題提起を矮小化することも簡単である。
 だから、右翼が来た場合には返り討ちにして、吊るし上げて、スポンサーを吐かせるべきである。
 まあ、ここまで断っているので、ノコノコ出向いてくるバカがいるとも思えないけれども。

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インチキ

 http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz06q2/502581/
<公安調査庁にしても、正確な人数は当然秘密ですが、せいぜい100人単位といったところ。この程度の人数では、必然的にできることは限られてしまいます。>


 はぁ?公調の定員は公開されてますけど?

 なんでこうどいつもこいつも平気でデタラメを言うのか不思議である。

 なぜ、知りもしないことを見てきたかのように語るのか不思議である。
 

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青山繁晴氏

 テッシーとある種同じ臭いを放ってるので、ついでに触れておくと、この青山繁晴氏の言うことも妙である。

 http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid311.html

 緒方被告の記者会見発言にはたしかに心理工作の要素が認められるが、主か従かと言えば、あくまで従と評価すべきである。

 そもそも、筆者がひたすら首を傾げるのはこの総聯リーク説である。

 未だにこれを唱える人は多い。

 しかし、わざわざそんなことをしなくても、勘のいいメディアも整理回収機構も、遅くとも5月下旬から連日、登記をチェックしていたのである。当然、法務局は公安調査庁と同じく法務省と同じ傘の下にある組織である。無論、公安警察は鵜の目鷹の目で総聯の動向を注視している。


 必ず外部に漏れる。登記は誰でも閲覧できるのだから当たり前である。わざわざリークなんぞするまでもなく、直ちに明らかになるのである。

 実際、「統一日報」が登記を察知したのは、変更手続後、閲覧が可能になった2007年6月8日ではないか。

 そんなことも踏まえていないのだろうか?

 別に裏情報なんぞなくても、ちょっと常識的に考えれば分かる話である。

 もしリークということがあり得るとすれば、それは一連の取引が完全に偽装されていた場合である。たとえば、ダミーの会社を立てて、ちょっとやそっとでは公調ないしそのOBの関与が分からないようにしていた場合である。

 その場合はたしかに、どういう動機か分からないが、総聯が途中で情報をリークする意味がないでもない。

 しかし、今回のケースでは当事者である投資顧問会社の代表が緒方氏なのであって、それも登記されている。公然情報である。緒方氏の名前などマスコミ人ならすぐピンと来るし、そうでなくてもちょっと調べれば、その日の内に素性が割れる。自宅住所も登記されているから、そこに行って聞き込みすれば一発である。いや、わざわざそんなことをしなくても、緒方氏の名前をグーグル検索するだけでも簡単に元長官だと分かる。

 つまり、どちらも最初から隠していないし、だからこそ自分達から広言する必要もなかったということだろう。

 なんでこんなことが分からないんだろう。本当に不思議である。

 インテリジェンスとか、分析とか、どうとかこうとか言う人は多いけれども、こういう常識的な判断ができず、ひたすら思い付きでストーリーを捻り出しているようでは失格である。

 すなわち、筆者に言わせれば青山氏もインチキである。

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『ウルトラ・ダラー』氏

 http://www.ryuichiteshima.com/books/ultra/nami_200711.htm
 <『ウルトラ・ダラー』をめぐっては、出版直後から数奇な出来事が次々に持ちあがった。拉致や密輸の舞台となった新潟、横浜、小樽の書店からは瞬時にして本が消えてしまった。そして極めつけは、ディスインフォーメーションという名の情報戦が『ウルトラ・ダラー』仕掛けられたことだろう。この作品に書かれた「嘘のような真実」は、じつは「事実に見せかけた虚構」にすぎない――こうした情報がまことしやかに諜報世界に流布されたのだ。情報の震源地は、伝説の二重スパイ、ゾルゲもかつて特派員をつとめた「フランクフルター・アルゲマイネ」紙だった。平壌製のドル紙幣は、CIAが自ら偽造した疑いが濃いと報じたのである。北朝鮮が基軸通貨ドルに挑んだ「通貨のテロリズム」は、アメリカの諜報当局による自作自演だったと言いたいらしい。>

 原田氏がすでに書いているけれども、筆者も簡潔に記す。

 http://www.amazon.de/Geldmacher-Das-geheimste-Gewerbe-Welt/dp/3527501134

 ベンダー記者のドイツ語版原著『Geldmacher』が刊行されたのは2004年7月である。
 その後、2006年2月に「FAZ」の第一弾が出て

 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~E56006D10772F4D07BA0EEFDB504250D5~ATpl~Ecommon~Scontent.html

英訳改訂版『Moneymaker』が出るのは同年5月である。

 http://www.amazon.com/Moneymakers-Secret-World-Banknote-Printing/dp/352750236X

 そして今回の2007年1月の「FAZ」記事が出る。

 http://www.faz.net/s/RubFC06D389EE76479E9E76425072B196C3/Doc~EE773DF6A8F2446F2BBB6CBA26E7F6816~ATpl~Ecommon~Scontent.html

 つまり、ベンダー記者は同月、突拍子もなく、自説を展開し始めたのではなく、数年前からそう言っているのである。
 『ウルトラ・ダラー』の発売日は2006年2月28日。
 「FAZ」第一弾と前後する話である。しかし、上掲の手嶋氏記事は2007年11月のもので、おそらく同年1月の「FAZ」記事のことを指しているのだろう。
 どちらにせよ、ベンダー記者がこのネタを持ち出すのは、2004年7月に遡り、そこですでに米国情報機関の謀略の可能性を示唆している(同書262頁)。
 当然のことながら、ベンダー記者は一貫して、手嶋氏のことなど触れていない。残念ながら、極東の島国のインテリジェンス専門家のことなど、まったく知らない様子なのである。ベンダー記者がドイツ語原著で取り上げているのは、手嶋氏なんぞではなく、2004年6月放送のBBC「パノラマ」である。 

 http://news.bbc.co.uk/nol/shared/spl/hi/programmes/panorama/transcripts/superdollar.txt

 つまり、手嶋氏の元ネタである。 
 無論、以上のことは単にベンダー記者がずっと前からそう言っていたというだけのことで、だからと言ってベンダー記者の指摘が正しいことの証明にはならない。筆者が見るところ、ベンダー記者のトーンは徐々に微妙に上がっているし、「パノラマ」の引用も歪曲されている。
 筆者がここで注目したいのは、ベンダー記者が正しいかどうかということではなく、それをあたかも自著に対する挑戦であるかのように大仰に描いて見せる手嶋氏である。
 無知なのか、確信犯なのか、おそらく前者だと思うけれども、この間抜けさ、夜郎自大振り・・・皆さんお分かりになります?
 一言で言えば、いわゆる「電波」である。
 無知であることは必ずしも恥ずべきことではないけれども、オレが知らないことは何もないと云わんばかりなので、滑稽なのである。
 要するに、落合某とか北芝某がちょっと高級になっただけで、本質は同じである。
 インテリジェンス談義というのは一般的に言って、所詮その程度の法螺話なので、読者の皆さんはそろそろ「スパイごっこ」のストーリーから卒業すべきである。
 しかし、小説(フィクション)をインテリジェンスって言うんだからねぇ・・・だったら、何でもありじゃん。まったくどうかしてるよ、書くほうも、全部真に受けるほうも。

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 『心理諜報戦』(野田敬生著、ちくま新書
 http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/
 2月5日刊行
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名誉毀損

 以前、弁護士会館で開かれた勉強会に参加した際、佐藤氏はなぜか自分の発言も含めた会の状況をICレコーダーで記録していた。

 普通、こういう場で「言った言わない」という争いが起こるとも思えないが、何らかの分析の用に供しているのだろう。

 ところで、まったく別件である。

 別に筆者があれこれ心配する必要もないし、原田氏も心得ているとは思うけれども、閉ざされた会場の発言だからと言って、特定人物に対する批判がエスカレートしないように、慎重に表現を選ばなければならない。

 でないと、せせこましい陰険な人物が原田氏の発言をこっそり録音して、ここぞとばかりに揚げ足を取って、法的攻撃を仕掛けてくる可能性があるからである。

 世の中には、何かと言うと、弁護士を担ぎ出してくる、そういう変な訴訟マニアがいるからである。

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「右翼に言うぞ。」

 ああ、そうそうまったく別件で、今までの話と全然関係ないけれども、人様のブログ記事を勝手に抜粋、転載する。

 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20070511

<さらに前に記した通り、佐藤は大鹿記者に対して「右翼に言うぞ」と告げたという。これは脅迫罪である。『週刊新潮』の記事では、佐藤は、大鹿氏が「すぐに謝った」ことに怒っており、大鹿氏が「逃げた」とされているが、脅迫すれば逃げたくもなろう。もっとも、ではなぜ佐藤は、私のコメントについて私自身に問うてこないのか。逃げているのは佐藤ではないのか。(本格的に逃げたのは、『AERA』の記事の際、私との対談を断った柄谷だが)>

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