 日の丸とは無縁だった松井。次回のWBCはどうする?(クリックで拡大) |
ヤンキース・松井秀喜外野手単独インタビューの第2回。08年の球界は、メジャーや巨人以上に、星野ジャパンの金メダル獲りが注目を集める。日本代表といえば、松井は06年のWBC出場要請を辞退した際、プロ人生初のバッシングを浴びた苦い過去が。いま、ゴジラの日の丸への思いは? 来年3月に予定されている第2回WBCに出場する可能性はあるのか。
松井はプロ入り後、日の丸と縁がない。
そんな男が米国内で右ひざを手術し、傷心の帰国をしたのは昨年11月30日。くしくも、星野ジャパンが3戦全勝で北京五輪出場を決めたアジア予選(12月1、2、3日=台湾)の直前だった。
「アジア予選はテレビで見ていた。いい試合だったよね。特に韓国戦は緊迫感があっていい試合だった。ああいう一発勝負は難しいと思ったよ。例えば、日本が韓国と10回戦ったら、8回勝つかもしれないけど、その2回(敗戦)がああいう時にハマることがある。そこが怖い。僕? 今までそういう機会がなかったのだから仕方がない」
日の丸を背負って戦うリスクは十分承知している。松井は06年WBCで日本代表の4番として期待されながら、出場要請を辞退した。当時は4年総額5200万ドル(約56億6800万円)の大型契約を結んだ直後で、ヤンキースでのプレーに集中したいという事情があった。結果的に、劇的な優勝を遂げた王ジャパンの陰で、松井に対する風当たりは強まった。
実は、北京五輪日本代表・星野監督はこう漏らしている。「WBCの出場を辞退した連中は、みんな後悔しているはずだ。あれだけ熱い戦いを見せられたらな。辞退した選手たちがその後、いい目を見ていないのも事実やろ」。実際に松井はWBC出場辞退後、06年に左手首を骨折、昨年は右ひざ手術とご難続きだ。
「後悔はしていないよ。自分が決断したことは、何ひとつ後悔していない。(WBCで)日本が勝ったのは、良かったと思っているけどね」
松井はそう語気を強めた。後ろは決して振り返らない。しかし、大リーガーが参加しない五輪はともかく、第2回WBCも来年3月に迫っている。再びジャパンのユニホームに袖を通すことを要請された場合、今度は受けるのだろうか。
「その時になってみないとわからないよ。メンバーに選ばれるかどうかもわからないんだから。全く白紙だね」
そうかわした。一方、大リーグは薬物疑惑で大揺れ。国際大会の五輪、WBCが近づけばなおさら、ドーピングには神経質にならざるを得ない。松井は薬物に手を出さないのはもちろん、プロテイン、サプリメントといった栄養補助食品を口にすることにも慎重だ。
「トレーニングをした直後にプロテインを多少飲む程度。比較的少ないだろうね。僕はなるべく、栄養は自然の食品から採りたい。そりゃ、ドーピングに引っかからなくて、よっぽどそれを飲めばいいという物があれば別だけど、今の所ない。頼りたいとは思わないよ」
ロッカールームで小腹が空けば、“レンジでご飯”。自宅の冷蔵庫にアロエジュースや野菜ジュースを常備する松井。試練の年にも、自然体で立ち向かう。(つづく)
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ZAKZAK 2008/01/11