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高齢子育て:メリットは? 精神的にゆとり/友人から「お下がり」

NHKアナウンサーの武内陶子さん
NHKアナウンサーの武内陶子さん

 母親が35歳以上の高齢出産が増えている。高齢出産というと、妊娠や分娩(ぶんべん)時のリスクが高まると言われるが、子育てに関してはどうだろう。経験者にメリットとデメリットを聞いた。【反橋希美】 

 平日午前10時。「今度は絵本読もうか」。東京都江戸川区の佐藤康子さん(42)は1歳8カ月の長男佑亮(ゆうすけ)ちゃんに笑いかけた。大手家電メーカー社員の佐藤さんは3月末まで育児休暇を取る予定。以前はバリバリ働いていた時間帯だが「焦りはない」と言う。

 39歳の時、大学の同級生だった夫(42)と結婚。40歳で出産した。高齢での子育てのメリットを「精神的ゆとりがある」と話す。独身時代に趣味を存分に楽しみ、海外旅行も10回以上出かけた。仕事面でも自分なりのスタンスが確立していた。「若かったら、あれもしたかったとか同僚に負けたくないとイライラしたかも」と明かす。

 39歳で長男智哉ちゃん(2)を産んだ杉並区のファイナンシャルプランナー、山口京子さん(41)は、精神的余裕以外の良い点として「兄弟や友人より遅れての育児なので、マタニティーウエアからベビー用品まで何でももらえたこと」を挙げる。周囲に子育てに慣れた人が多く、アドバイスも参考になったという。

 一方、高齢出産ならではの苦労もある。佐藤さんは「子どもの集まりに出かけた時、他の母親たちと年代のギャップがあり浮いた感じがする」と漏らす。

 22~36歳の間に5人を出産したバースコーディネーターの大葉ナナコさん(42)は、高齢出産した母親の子育てについて「仕事などで達成感を何度も経験し、子どもとの適当な距離感を楽しむ余裕がある人が多い」と分析。また、体力面を心配する人もいるが「2~3歳男児の外遊びの相手はきついと感じる時があるかもしれない。でも、例えば新生児の世話で睡眠不足になるのは若くても同じです」。個人差も大きいと言う。

  ◇  ◇  ◇

 35歳以上で出産したお母さん、子育てで感じる年齢ならではのメリット、デメリットはありませんか。体験談を募集します。苦労を克服する知恵もお寄せください。住所、氏名(匿名可)、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、〒100-8051(住所不要)毎日新聞くらしナビ「子ども」係へ。メールはタイトルを「高齢子育て」として、ページ上段のアドレスへ。毎日新聞のニュースサイト「毎日jp」内の「毎日かあさんち」からも投稿できます。携帯電話からもURL(http://cute.mainichi.co.jp/kaasanchi/)で投稿できます。

 ◇いい意味で、肩の力抜ける--39歳で出産・NHK武内アナ

 04年11月、39歳で長女音都(おと)ちゃん(3)を出産したNHKアナウンサーの武内陶子さん(42)に、子育てで感じていることを聞いた。

     ◇

 娘を授かったのは、ニュース番組「おはよう日本」を5年担当し、紅白の総合司会という大役を務めた後。本当はもう少し早くほしくて不妊治療もしていたのですが、今は心も体も産んで育てる準備が整った時を、娘が選んでやってきてくれたと思っています。

 というのも、10年以上キャリアを積み大きな仕事も体験すると、いい意味で肩の力が抜ける。小さな子がいると時間の制約もあり、全力投球しても評価されないことも出てくるでしょう。でもそういうことも受け止められる時期だったんです。

 娘が生まれ、地域とつながりを持つことで、いろいろな核心が見えるようになった気がします。例えば子どもの事故のニュースでは、その背景が具体的に分かるようになった。

 感受性もどんどん豊かになっている気がします。娘が面白いんですよ。「どうやって生まれてきたの」と聞くと「ママがかわいいから、お空の上からブーンと飛んできて、おへそからグリグリーッと入ったの」なんて。出産は確かに体が丈夫な若い方がいいかもしれないけど、私は適齢期だったと、子育てしていて思います。

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 ◇高齢出産

 日本産科婦人科学会は、35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と定義している。分娩障害や卵子に染色体異常が起きやすいなどのリスクが高まるとされる。92年以前は30歳以上が対象だったが、晩婚化や医療技術の進歩などが考慮され、変更された。厚生労働省の人口動態調査によると、高齢出産は増加傾向にあり、06年に出産した35~44歳の母親は01年に比べ5万人増えた。

毎日新聞 2008年1月6日 東京朝刊

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