大阪府富田林市消防本部が昨年2月に救急搬送した男性(48)が、府内16病院に受け入れを断られ、搬送先の同府河内長野市内の病院で数時間後に死亡していたことが分かった。同消防本部では昨年12月、救急搬送された富田林市内の女性(89)が30病院に断られ、翌日に死亡している。
同消防本部によると、昨年2月下旬の午前2時ごろ、富田林市内の男性が嘔吐(おうと)で苦しんでいると119番通報があり、救急隊が急行。16病院から受け入れを断られ、救急車収容から約47分後、河内長野市の病院に到着した。男性は入院したが、同日朝に食道静脈瘤(りゅう)破裂で死亡した。男性は肝臓疾患の既往症があり、搬送に時間がかかったことと死亡の因果関係は不明という。
同消防本部の救急出動は昨年1年間で計5879件あり、10病院以上に搬送を断られたケースは123件に上った。さらに、搬送先が見つかるまで1時間以上かかった例は21件あった。【中本泰代】
毎日新聞 2008年1月10日 大阪夕刊