県立医療技術大学(伊予郡砥部町高尾田、池谷東彦学長、339人)で3月末に教員が大量退職する事実が報道された10日、学生や、入試シーズンを直前に控え同大を目指す生徒のいる高校関係者らに困惑が広がった。
例年、同大へ一定数の生徒が進学する中予の県立高校の進路指導担当教諭は「欠員補充し体制を整えてくれると思っている。そうでないと困る。とにかくびっくりだ」と驚きを隠さない。「不安に思っている生徒もいるだろうが、平常心でやれよと指導する。1年も2年もかけ入試へ向けて準備しているので、今更やめられない」と話した。
松山市の私立高校の進路指導教諭は「県内でもう1校看護学科を持つ愛媛大の倍率が高くなるのではないかと心配」と漏らし「事前に大学から事情説明があれば、生徒が不安に思っても説明できるのだが、現時点では報道されている以上のことは何も分からない」と困惑した様子だった。
一方、松山市境近くにある同大キャンパスは10日まで冬休みのため、学生の姿はまばら。看護学科のある女子学生は「先生が代わってしまうと授業に差し支えがないか不安。学校はきちんと教員を補充してほしい」と要望。別の女子学生も「きょう新聞で知った」と驚き、「卒業に向け単位が取れるだろうか」と心配そうだった。