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光母子殺害・差し戻し控訴審
被告、すすり泣きながら「生きたい」 (07.09.21)「命をもって罪を償わなければならない」――。広島高裁で20日開かれた山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審の意見陳述で、妻の本村弥生さん(当時23歳)と長女夕夏ちゃん(同11か月)を奪われた本村洋さん(31)と、弥生さんの母親は被告の元会社員(26)への激しい怒りをにじませながら、極刑を求めた。 一方、意見陳述の後に行われた被告人質問で、被告は「生きて償いたい」と肩をふるわせた。 本村さんは妻子の遺影を父親に預けて証言。被告の主張が1、2審から大きく変わったことについて触れ、被告の名前を呼び、問いかけるように話した。 「私が墓前で妻と娘に報告してきた犯行事実はすべてうそだったと思っていいのですか」「裁判を傍聴し続けてきたが、どうしても君が心の底から真実を話しているようには思えない」 弁護団への不快感にも触れた。弁護団がインターネット上で裁判に関する資料を公開したことについて、「殺害状況が示され、妻の悔しさを思うと涙があふれてきます。怒りなのか、むなしさなのか。家族の命をもてあそばれているような気持ちになる」と語った。 改めて被告の名前を呼び、「君に言葉をかけることは、これが最後だと思う」とし、「天網恢々(てんもうかいかい)、疎にして漏らさず(悪事をすれば必ず天罰を受ける)。この言葉の意味をよく考えてほしい」と続けた。 十数分間の陳述の間、本村さんは一度も被告に視線を向けることはなかった。証言台の後ろに座った被告は、落ち着かない様子で時折メモを取り、本村さんから名前を呼ばれるたびに少しだけ顔を上げていた。 初めて意見陳述した弥生さんの母親は、娘や孫との思い出を振り返りながら、「二つの命を奪ったのに、反省がなく、許せない」と泣きながら訴えた。 被告人質問では、弁護側が「生きたいと思っているのか」と質問すると「亡くなった人のことを思うと、生きたいとは言えない。ただ、よければ生かしてほしい」と述べ、再度、「生きたいのか」と問われると、すすり泣きしながら「生きたいです」と繰り返した。
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