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マジンドール:風本医師、通信講座で提供資格を独自認定

 食欲抑制効果のある向精神薬「マジンドール」の処方を巡る医師法違反事件で、「メディカルサロン」グループ代表の医師、風本真吾容疑者(44)が、自らが会長を務めるNPO法人に通信教育講座を開講させ、医師と提携してマジンドールを患者に提供できるとする「資格」を与えていたことが分かった。マジンドールの処方は医師だけが可能。法的根拠のない「資格」は違法行為を助長しかねず、大阪地検などは実態解明を進めている。

 このNPO法人は02年5月に設立された「日本健康教育振興協会」(東京都新宿区)。事業として、通信教育による「健康管理指導士」の養成や「体重管理指導士」の試験認定などを掲げている。

 関係者によると、これらの「指導士」は協会が独自に認定する資格。健康管理指導士の受講料は8万4000円で、人体の構造や健康管理学などの知識を学ぶテキスト(12回分)が郵送され、年4回開催の試験に合格すれば指導士として認定される。体重管理指導士について通信教育はなく、試験を受けて合格するだけで認定される。さらに、それぞれの指導士となった上で所定の講習を受ければ、マジンドールなどの医薬品を使用する「メディカルドッキングダイエット」の指導を行えるとしている。

 協会はホームページで「協会所属の医師と提携して、依頼者にダイエット系医薬品を提供できるようになります」と宣伝していた。

 こうした制度について、協会側は取材に対し「全国で展開しているメディカルサロン(診療所)では、店長やスタッフ全員が資格を持っている」と説明。しかし、認定者数など具体的な実態には「風本容疑者しかわからない」として、明らかにしていない。

 今回の事件では、医師免許がないのにマジンドールを処方したとして、「六本木メディカルサロン」店長、岡村沙代里容疑者(29)が医師法違反(無資格医業)容疑で逮捕された。岡村容疑者も「資格」を持っていたとみられ、顧客に対する違法行為の隠れみのに使われた可能性が高い。

毎日新聞 2008年1月11日 2時30分 (最終更新時間 1月11日 3時57分)

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