ブッシュ米大統領に教えてあげたかった。日本人の半数はあなたより、高い意識を持っていることを。
6日掲載の毎日新聞世論調査によると、京都議定書が定めた温室効果ガスの削減義務を守るため「生活レベルを下げられる」という人が49%いた。朝日新聞も7日、同じような世論調査を掲載した。ここでは、温暖化を防ぐために「今より生活が不便になってもいいか」との問いに51%が「いい」と答えた。
日経新聞が新年早々、「YEN漂流・縮む日本」という連載を始めたが、経済の持続可能性を重視するなら、成熟した意識に支えられた日本の将来は悲観することはない。地球を食い尽くしかねないほどの成長を追う米国やロシア、中国などより、未来を見据えているのではないか。
朝日の調査には、コンビニエンスストア各社が沈黙するような結果もあった。温暖化を防ぐため「コンビニの深夜営業がなくても我慢できる」という人が83%いたのだ。
政府は昨年末、温暖化対策としてコンビニの24時間営業の見直しを検討したが、業界が「16時間営業でも温室効果ガスは3~4%しか減らせず、一方で売り上げは2割程度落ちる」と猛反発し、見送られた。コンビニ各社は、売り上げに応じて吸い上げるロイヤルティーが減り商品配送の費用も増すから大打撃だ。しかし、人件費や光熱費を負担する店のオーナーはどうだろう。8割以上が「深夜営業しなくていい」との利用者の声は反映されていたのか。
「あいてて良かった」は、もはや時代遅れだと思うのだが。
毎日新聞 2008年1月11日 0時01分
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