インターネットオークションで、動物用医薬品(犬用フィラリア予防薬など)を無許可で販売目的のために貯蔵していたとして、大阪府警西署は21日までに、薬事法違反(無許可貯蔵)の現行犯で、大阪府豊中市の獣医師小林克也容疑者(40)を逮捕した。小林容疑者は獣医師免許を悪用して薬を入手し、昨年6月頃からインターネットオークションでフィラリア予防薬やノミ取り薬などを通常の3分の2程度の価格で販売し、約500万円を売り上げていたとみられる。同容疑者は「ペット用品店の経営が苦しく、収入が欲しかった」と供述しているという。調べでは、小林容疑者は19日頃、ネットで違法で販売するためにフィラリア予防薬7箱を、自身が経営する箕面市のペット用品店に無許可で貯蔵していた疑い。今年5月、ネットオークションを見た人が府警にメールで通報し、捜査。19日に小林容疑者の店など家宅捜査を行い、今回の逮捕となった。
フィラリア症(犬糸状虫症)とは、蚊によって感染する最も恐ろしい病気の一つとしてあげられており、長さ20~30cmのソーメン状となったフィラリアの成虫が心臓の右心室、または肺動脈に寄生し血液の流れを妨げる病気。長時間寄生すると心臓だけでなく、肺・肝臓・腎臓などに異常をきたすこともある。初期症状としては、咳、食欲不振、だるさ、痩せる、など。さらに重くなると、失神、貧血、腹部が張る、尿が赤くなるなどの症状もみられるようになり、発見が遅れると死に至ることもあるが、月1回あるいは毎日予防薬を飲ませるといった予防方法が確立されており、フィラリア症は予防薬をきちんと飲めばほぼ確実に予防できる病気である。