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農林・漁業と同レベルの売買春

 性売買の代金として動いた金額が1年に24兆ウォン。国内総生産(GDP)の4.1%を占めるという韓国刑事政策研究院の昨日の発表は、これ以上、性売買を個人的な倫理の堕落行為として見てはならないという警鐘だ。見て見ぬ振りをして覆い隠している間に、性売買業は国民総生産で電気、ガス、水道事業(2.9%)をはるかに上回り、農林漁業(4.4%)と同レベルの巨大な怪物産業にまで成長した。

 売買春産業は搾取犯罪という観点から、厳しい法的制裁を受けなければならないと我々は考える。性売買は人権を全面的に破壊する反人倫的な犯罪だ。外見上、自発的に選択したように見える場合でも、実は紹介費や前払い金などの債務関係が折り重なっているケースがほとんどだ。このような金銭関係は国連の議定書でも厳然とした人身売買として規定している。

 鎖や鍵で固く閉ざされた売春街は人権蹂躙の現場だ。火災事故でも発生した場合は惨事に直結するほかなく、わずか1年前にも11人が焼死した事故が発生している。基地村の外国女性の性売買は既に国際的問題として注目を浴びている。

 今回の調査によると売春街、ルームサロン(個室バー)のような風俗営業店、俗称「チケット喫茶(売春を斡旋する喫茶店)」をはじめ、住宅街のカラオケボックスでまで性売買が行われているとなれば「売買春共和国」と呼ばれても返す言葉はない。

 性売買は「被害者のない犯罪」ではない。借金と暴力など強迫によって性売買を始める女性は人身売買犯罪の被害者だ。売買春業所での債務は返済しなくてもいいという判決や、売春街での火災事故に対し国家の責任を問う判決が続いているのは、そのような面で一歩前進した事だといえる。

 しかし淪落行為防止法違反事犯の罰金額が平均259万ウォンという現在の宣告刑量は、性売買を深刻な人権侵害犯罪と見ていないからだという批判もある。性売買を人身搾取の犯罪とみなし、処罰を強化する一方、インターネットを通した性売買など新しい形の売買春産業の流入通路を遮断しなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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