2008年1月10日 16時32分更新
回復の見込みのない終末期の患者の家族が、消防に救急車を要請しても延命措置はせずに病院への搬送だけを希望するケースがあることから、神戸市消防局は現場で対応する救急隊員の指針をことし春までにまとめることになりました。
神戸市消防局によりますと、在宅での医療を望む高齢者などの中で、終末期の患者の家族から救急車を要請する通報を受けた際、現場で家族が延命措置はせずに病院への搬送だけを希望するケースが、最近では月平均で1回ほどあるということです。
このため、現場での混乱を防ごうと神戸市消防局は、救急隊員の指針を作ることを決めました。
現場に駆けつけた隊員は、原則として延命措置を行いながら病院まで搬送しますが、指針では主治医などと連絡がとれて、なおかつ、延命措置を拒否するという本人の明確な意思が確認できた場合にどう対応するか医師や弁護士などで構成する協議会で、具体的に検討することにしています。
終末期の患者の延命措置をめぐっては、厚生労働省と日本救急医学会が指針をまとめていますが、消防庁によりますとこうした指針を消防が作るのはあまり例がないということで、神戸市消防局はことし春までに指針をまとめることにしています。