道は来年度から、江差、紋別など道立7病院の副院長に看護師を起用する方針を決めた。副院長ポストはこれまで医師が独占してきたが、職員の大半を占める看護師が病院経営に責任をもつ機会を設けることで、意識の向上を図る。都道府県立病院で副院長に看護師を一斉に登用する試みは全国で初めて。
7院の職員計約1000人のうち看護師は6割を占めるが、副院長(各1~2人)は全員が医師。このため7院の院長らが「患者本位の医療の実現に必要」と看護師の副院長起用を要望していた。
7院の副院長ポストを一つ増やし、看護師のトップである総看護師長と兼任させる。さらに、従来は診療科や病棟ごとに行ってきた病床の管理をこの副院長が一元的に管理することで、利用率の向上も期待される。
道によると、全国の病院の約2%に当たる168院が、看護師を副院長に登用している。道内では旭川医大、札幌医大など8院。
道立病院は06年度に計19億円の赤字を計上し、累積赤字は613億円に達しており、道は指定管理者制度の導入などによる経営改善策の今年度中の策定を目指している。【大谷津統一】
毎日新聞 2008年1月10日