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長崎

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それゆけパパ記者!男の子育てブログ:/1 出産立ち会い /長崎

 ◇我が子抱き感動

 昨年6月、里帰り出産のため実家にいた妻チカコが、予定日の1カ月以上前に破水した。午前4時に電話でたたき起こされた。私は前夜の深酒で頭がクラクラし、「ハスイって?」と言ったきり、再び寝入ってしまった。

 赤ちゃんを包む膜が破れ羊水が出るのが破水。まもなく生まれるしるしでもある。朝、産婦人科医院に駆け付けると、既に陣痛が始まっていた。「いやあ寝ちゃった、ハハハ」。遅ればせながら妻の腰をさする。

 院長によると未熟児の可能性があった。その際、不測の事態に備え総合病院に移らなければならない。やはり早産は危険を伴う。「無事に生ませて下さい」。医学が進んでも最後はこれ、神頼みである。

 「分娩(ぶんべん)室に入りますか」。陣痛開始から約5時間で出産本番を迎え、助産師さんの問いに「はい」と即答。立ち会いは友人に勧められていた。「貴重な体験。絶対見るべきばい」という彼は、分娩室にビデオを持ち込む熱心さ。肉薄しすぎて医師に注意されたらしいが。

 待つこと1時間余り。頭のてっぺんが出て、ハッハッハッと妻の息づかいが荒くなった。「腰を浮かせないで」と先生が大きな声を上げ、私の方がびくっとする。やがてズルズルッと羊水にぬれた赤ちゃんの全身が現れ「オギャー」と大きな泣き声が響いた。

 女の子。2286グラム。小さめだが、異常なし。両手で押し頂くように抱いてみると、思ったより硬い感触でずしっときた。出産は赤ちゃんにとっても大仕事だ。腫れぼったいまぶたを閉じ、私の腕で体を休める姿がいとおしい。子どもを持つっていいな、素直に優しい気持ちになれる、友人にはそう報告しよう。そんなことを考えながら、静かに眠るわが子を眺め続けた。

  ◇   ◇

 中年新米パパの子育て奮闘記をお届けします。【山下誠吾・44歳】<イラスト・キムラみのる>

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 ◇読者コメント

 山崎家の「男の子育てブログ」を先月末で終えるに当たり、読者の方々からメールやファクスを頂きました。一部抜粋して紹介させて頂きます。【山崎太郎・34歳】

 ◆毎週楽しみにしていました。山崎さんの家と自分の家が重なる事も何度もあり、奥さんの気持ちと自分を重ねて涙して読んだこともありました。

 家事も育児もママ一人にまかせきりにしないでください。山崎さん、世の中のママの気持ちを分かってくださってありがとうございました。(山崎家ファンさん)

 ◆あまりの多忙さに3人目を断念しようと考えていました。そんな時、目に入ったこの記事((11)何でも3倍)、読んでいくと何だかじわっと涙が出てきました。確かに人を育てることはとても大変なこと。寝る時間がないほどの日々だけど、それ以上に得るものも多いです。子供の数が多ければ多いほど幸せも倍になる。落ち着いて時期が来たら3人目頑張ってみようと思いました。

 気持ちが温かくなって背中を押してくれたこの記事に感謝!(長崎市、河上さん)

 ◆「何でも3倍」その通りです。我が家は男男女女の4人ですから。今では末っ子が成人式を迎えます。たくさんの喜び楽しさ励ましをもらいました。子供たちにも言っています。「3人以上子供を持ってみないと親の苦労は分からない」と。私も親から言われ痛感しています。(子供から勇気、パワーを貰っている母さん)

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 私も皆さまからの感想を読んで涙が出てきました。こちらこそありがとうございました。

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ご意見、ご感想は佐世保支局(メールsasebo@mbx.mainichi.co.jp ファクス0956・22・4153)

毎日新聞 2008年1月9日

 

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