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【岐阜】抗がん剤過剰投与後に「異状死」 多治見病院医療ミスで謝罪2008年1月10日 県立多治見病院(多治見市)は九日、入院中の患者に医師が適量の三倍弱の抗がん剤を投与する医療ミスがあり、この患者が六日に死亡したと発表した。舟橋啓臣院長は「ミスは明らかで、患者の死亡と無関係とは思っていない」と話した。病院は七日、遺族に経緯を説明し、謝罪した。病院から「異状死」の届けを受けた多治見署が九日に司法解剖した結果、死因は細菌性肺炎。ミスと死亡の因果関係を調べている。 舟橋院長によると、死亡した患者は恵那市の男性(54)。担当の消化器内科の男性医師(34)が抗がん剤投与の間隔を、本来は「四週に一回(一回は五日間連続)」とすべきところを「毎週一回を四週連続」と誤った。 投与は点滴で昨年十二月十七日に始め、三週目途中の今年一月二日、男性の白血球数が急減したため中止。五日には正常値の十分の一近くまで減り、六日に死亡した。 抗がん剤は白血球をつくる働きを抑える作用があり、過剰投与が白血球を急減させ、その結果、男性の免疫力が低下し、死亡につながった可能性があるという。 医師が患者の死亡後、病状の急変を不審に思い、カルテを見直し、誤りに気付いて病院に報告した。 患者の男性は二〇〇六年十一月に愛知県がんセンター(名古屋市)で食道がんの手術を受けたが、昨年十一月に体の不調を訴えて県立多治見病院の神経内科を受診したところ、転移性脳腫瘍(しゅよう)と診断され、同病院に入院。脳外科で放射線治療を受けたが、副腎にも腫瘍の転移が見つかり、消化器内科の医師が治療していた。 (河原広明)
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