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肝臓疾患の男性 17病院が拒否、数日後に死亡 大阪

2008年01月10日06時17分

 大阪府富田林市消防本部が昨年2月に救急搬送した60代の男性が、周辺の17病院に受け入れを拒否された末、搬送先の病院で数日後に死亡していたことがわかった。男性は重度の肝臓疾患で、死亡と搬送遅れとの因果関係は不明という。同消防本部管内では昨年12月にも、救急搬送された同市内の女性(89)が計30病院に断られた翌日に死亡しており、重篤患者の迅速な搬送が困難になっている現状が浮かんだ。

 関係者によると、昨年2月の深夜、府内に住む男性が吐血したと同消防本部に通報があり、救急隊が急行。消化器内科のある病院を中心に搬送先を探したが、17病院が受け入れを断り、37分後に同府河内長野市の病院が受け入れを決めた。入院して治療を続けたが、数日後に死亡したという。

 30病院から断られた女性のケースでも、嘔吐(おうと)などを訴えていたため、同じ消化器内科の病院を探していたという。地元の医療関係者は「富田林市を含む南河内地域では消化器内科の医師の退職者が相次ぎ、不足状態だ」と嘆く。

 同消防本部の救急出動は昨年1年間で計5879件。このうち123件で10病院以上に搬送を断られていた。搬送先が見つかるまで1時間以上かかった例が21件あり、昨年9月には、吐血した60代男性が計37病院に受け入れを拒否され、搬送先の選定に1時間半かかったという。

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