自称、口下手の小沢一郎民主党代表は大リーグのイチローが好きだと言う。「僕と同じ名前であり、あまりマスコミにいいイメージを持たれていないことも似ている」と自著「剛腕維新」(角川書店)にある 福田康夫首相との党首討論が行われ、その雄弁ではない姿を見せることになった。一方、受け身の福田さんも雄弁な人ではない。通常国会の施政方針演説で頭が一杯で、党首討論の準備もそっちのけだったという それより何より「初対決」とは言っても、昨年に大連立をめぐって、みっちり語り合った二人だから、国民には「あまりいいイメージ」ではなかったに違いない。会期末迫る中での「出がらしの茶」を味わう気分だった 英国議会に倣った党首討論は、双方が近距離で真正面に向きあって行う。対決ムードは高まるが、人間同士が語り合い、理解しあうには、正面ではなく斜めに向きあうのが良いと言われる 新テロ対策法や年金不備問題で正面切っての対決も、終わってみれば何が明確になったかよく分からぬ討論ではあった。互いに「斜に構えた」駆け引きがあってもいいし、実は既にあるのかもしれない。
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