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山口 正人(やまぐち まさひと)
日本ブレーン・センター・オーストラリア
NSW大学オーストラリア経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取得。投資銀行を経て、シドニーで日系のビザ・コンサルティング会社、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。豪州におけるビザ取得のためのコンサルティングとその手続代行、人材紹介・派遣、ランゲージ・サービス、教育事業などを、オーストラリアを含め4カ国で手がける。著書に『オーストラリア・ビザ・ガイド』(アルク出版)。
2007年8月19日に不法労働者の雇用に関する新たな法律が制定され、雇用者は採用の際に労働者が就労可能なビザを持っているかどうか、また労働時間数の制限があるかどうかを特に気を付けなければなりません。労働者が有効な労働ビザ(永住ビザ、ビジネス・ビザなど)を保持していないことを知った上で働かせていた場合、もしくは労働時間の上限数を知っていてそれ以上働かせていた場合、雇用者は法的に犯罪者として扱われます。
これは雇用主に限らず、人
材派遣会社などの会社レベルから不法労働者などを紹介した個人レベルまで適用されます。個人レベルの違反者には最高1万3,200ドルの罰金と禁固2年、会社レベルの場合は適用する労働者1人につき最高6万6,000ドルの罰金と、場合によってはさらに重い刑罰を課される可能性があります。
オーストラリア政府は、24時間利用可能なVisa Entitlement Verification Online (VEVO) という労働許可と許可された労働時間の確認ができるインターネット・サービスを提供しています。インターネット以外にもtoll-free Visa Entitlement Verification Faxbackというファクスによるサービスも行っていますので、これらを利用して労働条件などの確認をすることをお勧めします。
■VEVO
Tel: 1800-040-070
Web: www.immi.gov.au/employers
原則的にスポンサーシップを申請するには次の条件を満たさなくてはなりません。
*該当のビジネスを目的とする一時滞在者の直接の雇用主である。
*関連の移民法に従っていることを証明する十分な記録を所有している。
*良好なビジネス業績をあげている。
また、雇用主はビジネスを目的とする一時滞在者を雇用することで、以下のいずれかの利点があることを証明しなければなりません。
*オーストラリア国民またはオーストラリア永住者に対する雇用機会の創造または維持。
*オーストラリア製品またはサービスに対する貿易の拡大。
*国際市場に結びついた、オーストラリアのビジネスの改善。
*オーストラリア経済の競争力の向上。
*オーストラリアに、改良された技術またはビジネス技能を導入。または同技術・技能をオーストラリアで使用または開発。
*オーストラリアでの事業活動において、オーストラリア国民およびオーストラリア永住者に対するトレーニングに貢献。
スポンサーシップ申請の際には、特にトレーニングの記録についての提出を厳しく求められますので、Apprenticeship(研修生)などの制度を利用することによってビジネス・ビザ取得の可能性が高まります。