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ビザ
 8年前に永住ビザを取得し家族4人で来豪しました。長女は、約6カ月豪州に居住後、日本での就職のため長期的に一時帰国しました。しかし、3年前に永住者再入国ビザ延長を申請した際、過去5年中に豪州での居住期間が短いということで、彼女だけ認可が受けられませんでした。その後も日本で勤務し続けた彼女でしたが、現在(28歳/独身)は本格的に再移住を希望しています。永住者再入国ビザを取り戻す特例や、自分以外の親族全員が豪州に移住している人用のビザがあると聞きました。そのビザの申請条件について教えてください。
(58歳男性=会社経営)

福田美香(ふくた みか)
アドバンス移民法コンサルティング(旧称:福田・青木移民法コンサルティング)

シドニー大学大学院卒。96年移民申請代理人資格初期登録。青木智子氏とともにアドバンス法律事務所・移民法コンサルティングを共同運営。日本の出版社への記事寄稿多数


 お嬢様のような状況ですと、既にお調べになられているように、過去に永住ビザを取得していた人が永住者再入国ビザを取り戻す特例を考慮する価値はあるかと思います。
 しかしながら、ご本人の都合で海外に居住されていた点、ここ数年はずっと豪州を訪問したことがない点から考えますと、単に自分以外のご家族が豪州に住んでいるという要因だけでは特例を受けるための条件を満たすことは難しいかもしれません。そういった理由で、3年前の再入国ビザ延長時にも却下されてしまったものとお見受け致します。
  その場合、今回のご質問のように「残留親族ビザ/Remaining Relative Visa(豪州国内申請:Subclass 835、豪州国外申請:Subclass 115)」の取得を考慮するのもご一考です。「Remaining Relative」と定義されるためには下記の条件を満たす必要があります。

1)申請者およびその配偶者(結婚している場合)には、基本的には豪州に移住している親族以外の近親者が自国にいないこと。この近親者とは、申請者にとっての親、兄弟、姉妹もしくは上記すべてのstep関係にあるもの。
2)申請者は、豪州の市民権もしくは永住権保持者、もしくは特別許可を持ったニュージーランド市民権保持者によってスポンサーされること。そのスポンサーは豪州の通常の居住者(Usually Resident in Australia)であり、18歳以上であること。
3)申請者はスポンサーにとって以下の関係の者であること。
兄弟、姉妹、子、もしくは継兄弟、継姉妹、継子供(step equivalent)。
4)申請者およびその配偶者の居住国とは別の国に近親者がいる場合は、その人たちと長期間音信が不通であること(*通常は3年以上と定義されます)。
5)申請者およびその配偶者に、豪州に移住した親族以外の近親者が申請者および配偶者の居住国以外の海外にいる場合はその数が3人以上でないこと。

  上記の点を考慮しますと、お嬢さんが「Remaining Relative」としてこのビザを取得できる可能性はたいへん高いとお見受け致します。申請条件にはそのほかに、健康状態やキャラクター査定(無犯罪証明書の査定など)、通常の永住ビザの審査に設けられている一般的な条項がありますが、Remaining Relativeとしての条件を満たすことができ、それらの点でも不安点が見られない場合は、このビザ取得の見込みがあると考えてよいでしょう。
  なお、このビザにはサポートの保証(Assurance of support)が必要になりますが、お父様が保証人になられるのに問題はないと思われます。
  詳しい申請条件は、連邦移住省のHP上に平易な英文で書かれていますのでそちらをご参考にされますことをお薦め致します。

Web :www.immi.gov.au/migration/family/others/remaining_relative.htm
Web: www.immi.gov.au/migration/aos.htm

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