地方公務員災害補償基金埼玉県支部は9日までに、2002年に焼身自殺した同県狭山市の市立保育所女性所長について、保護者の苦情対応によるストレスで発症したうつ病が自殺の原因として公務災害と認定した。 遺族代理人によると、所長への行為は他人に理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」の典型で「こうした保護者に自殺に追い込まれ、公務災害に認定されたケースは初めてではないか」としている。 所長の自殺後、保護者側からの謝罪はなかった。所長は園児同士のけんかで軽いけがをした男児の両親から約4カ月間、付きっきりでの保育を命じられたり、繰り返し苦情を受けたりしたという。 さらに市役所に「誠意がない」などと所長を批判する手紙が送られ、約1週間後に保育所敷地内で焼身自殺した。 遺族は03年に公務災害の認定を請求したが、同支部は05年、遺書の内容などから「精神疾患が原因ではなく、保護者への抗議から焼身自殺をした」として退けた。しかし同支部審査会が昨年末、処分取り消しを裁決していた。 |