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【NPO通信】

とやまチャイルドライン愛ランド(1) 心に寄り添い耳傾ける

2008年1月8日

とやまチャイルドライン愛ランドを伝えるポスターを手にする代表幹事の布村武信さん

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 子ども専用の電話回線を設け、子どもたちの声を受け止めている富山市の「とやまチャイルドライン愛ランド」。今回からは、子どもたちの声の“傾聴”を続けるチャイルドライン活動の趣旨や将来について発信してもらう。

 私が初めてチャイルドライン(CL)を知ったのは「二〇〇一年ボランティア国際年とやまフォーラム」の広報委員として、俳優でありNPO法人「チャイルドライン支援センター」(東京都)代表理事の牟田悌三さんと出会ったことでした。それまでは、ボランティアとして地域活動やPTAなどに参画し、多くの人たちと出会ってきました。

 CLは子どもがかける子ども専用電話です。子どもであればだれでも電話を掛けることができます。あくまでも、子どもが主役でありどんなことでも匿名で電話がかけられて、秘密は絶対に守られます。電話の受け手は「専門の研修を積んだ」普通の大人がなっています。

 ボランティアについて少し触れさせていただきます。辞書をひもとくと、ボランティアとは「無償奉仕」と書いてあります。奉仕自体はけっこうなことですが、問題は多くの人が持つ奉仕の概念に含まれる「してあげる」という考え方です。ボランティアは「してあげる」ものであっては、相手との対等な関係が築かれず、長続きはしないと私は考えています。

 反対に、人との触れ合いから「自分にない何かを学びちょうだいする気持ち」が資質を高め自己啓発につながるのだと思います。私は、ボランティアこそ「自己啓発の場であり生涯体験学習」にほかならないと考えています。

 私がCLを立ち上げたのは、長年の地域活動の中で、子どもたちと触れ合ってきたからです。昨今、子どもを取り巻く社会環境が厳しく、いじめや不登校などにつながっています。そしてその場が、家庭や学校など、私たちの身近な場所から起きています。

 そんな中、子どもたちは一人で悩みつらい思いを感じることがあります。私たち大人は、子どもたちの気持ちをただ聴いてあげることで、子どもは自分の気持ちを整理したり、答えを見つけたりできるのではないでしょうか。私が牟田悌三さんに心を打たれて、翌年から準備を始め、〇三年にとやまチャイルドライン愛ランドを立ち上げることになりました。

 CLでは、子どもたちの気持ちにひたすら耳を傾ける(傾聴)だけで具体的な助言は一切しません。心のうちを誰かに話すことで、感情を整理したり自身の気持ちに気づいたりすることができるのです。私たちは、ただそっと背中を押してあげるだけでよいのです。

 子どもの気持ちに寄り添い、子どもたちと「共学共育」の思いを大切にしたいと思います。 (とやまチャイルドライン愛ランド代表幹事・布村武信)

<団体情報>

団体名/とやまチャイルドライン愛ランド

主な活動/子どもがかける子ども専用電話の運営。悩みごと相談や教育相談と違い、「問題解決のための助言やアドバイス」が目的ではなく、子どもたちの気持ちに寄り添い気持ちを「傾聴」することを大切にしている。

住所/富山市下新北町8の16

会員数/37人

ファクス/076(421)0671(連絡用)

ホームページ/http://toyama−childline.hp.infoseek.co.jp/

 

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