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イタリア:ごみあふれるナポリ 処理巡り住民と警官隊衝突

 【ローマ海保真人】イタリアのナポリとその周辺で、ごみ処理場が不足し、ごみが街の通りにあふれ出している。処理法を巡って一部で住民と警官隊が衝突、プロディ首相と政府は8日、緊急事態とみて新たな浄化対策案を発表した。

 先月末からごみ処理場がいっぱいとなり、収集作業がストップした。既にナポリ一帯で5万トン、カンパーニア州全体で10万トン以上のごみが通りに山積みとなって異臭を発し、人体や環境への悪影響が懸念されている。

 政府はナポリ郊外ピアヌーラの旧埋め立て式処理場を一時しのぎに利用しようとしたが、環境悪化を嫌う近隣住民が反発。8日未明には公共バスに放火したり、警官隊に火炎瓶を投げつけたりしたため、警官側は催涙弾を放つなど混乱が続いた。

 プロディ首相は8日午後、対策責任者にデジェナーロ元警察長官を任命し、新たなごみ処理場を用意し、焼却場を建設する計画を発表した。軍をごみ処理要員に充てる。

 だが、ナポリ一帯の処理場不足問題は14年前から慢性的に続いている。背景には廃棄物処理を有力な資金源とする地元マフィア「カモッラ」の介在が疑われている。カモッラがカンパーニア州外からも大量の廃棄物を持ち込むうえ、それに癒着する一部自治体当局が処理場や焼却場建設に本腰を入れてこなかった、という構図だ。

 ナポリはイタリア第3の都市で観光客も多い。プロディ首相は「イタリアの悪いイメージにつながっており、嘆かわしい」と話している。

毎日新聞 2008年1月9日 19時27分

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