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耐火・防火建材:40社が不適切製品…国交省緊急調査

 耐火・防火建材の性能偽装問題を受けて国土交通省が建材メーカーに行った緊急調査で、40社の製品77件(73~07年認定)に大臣認定を受けた際とは異なる仕様の建材を販売するなど不適切なケースがあることが分かった。材質など変更をしたものは、再試験を受けなければならないが、それを怠っていた。国交省は「認定制度の信頼性を揺るがす行為で、許し難い」と批判している。(8面、社会面に関連記事)

 各社は国交省に対し、「再試験が必要だと知らなかった」と回答したという。

 大臣認定を受けた耐火・防火建材については昨年10月以降、ニチアスと東洋ゴム工業の2社の性能偽装が発覚したため、国交省は大臣認定を受けた1788社(認定約1万4000件)に緊急調査を指示していた。

 1月4日現在のまとめによると、40社の77件が素材や寸法などの仕様変更をしていたのに、必要な試験を受けていなかった。これらはマンションやホテルなど少なくとも約300棟の壁や扉などに使われていた。国交省はこの40社にヒアリングを実施中で、確認できた18社名を公表した。

 「ウッドワン」(広島県)の準不燃性の杉板は、薬剤の注入が不均一で製品によってばらつきがあった。同社製品は、住宅など50棟に使われているが、今後大臣認定が取り消され、改修が進められる。また、現段階で使用実績のない3社の製品についても大臣認定が取り消される。

 一方、燃えやすい恐れがある「サファリウッド協同組合」(宮崎県)の杉板は、認定時にはなかった塗装が施されていた。

 間仕切り壁の塗装など認定時とは違う素材を使用し、不適切な建材が12件と最も多かった「イトーキ」(大阪府)。問題の建材は240棟以上の銀行などで使用されている。

 国交省は40社に対し、原因究明と再発防止策の検討などを指示した。緊急調査にはまだ266社が回答しておらず、今月末までに回答させる。

 また、今回の調査は企業の自己申告だったため、国交省は大臣認定の約160件を対象に、新たに抜き打ちの調査もする。同省建築指導課は「問題の建材が使用された物件の特定を急ぎ、建築基準法に適合するかどうかを確認する」としている。【高橋昌紀】

 <問題のあった企業>グレイスコーポレーション▽コニシ▽トヨタ自動車▽ウッドワン=以上、製品の大臣認定取り消し予定▽セブン工業▽日本リフェクス▽日本防災化学研究所▽松下電工▽ユニチカグラスファイバー▽サファリウッド協同組合▽福田金属箔粉工業▽日建板▽クリオン▽アルポリック▽大泰化工▽リケンテクノス▽オーツカ▽イトーキ(国交省公表分)

 ◇建材の大臣認定制度

 国土交通相は、一定基準の耐火性や不燃性があると認めた建材に「大臣認定」というお墨付きを与えている。大臣指定の6性能評価機関が試験を行う。建築基準法は「防火地域・準防火地域」では「特別な材料を使う場合は大臣認定が必要」と規定している。住宅地ではほとんどが対象になる。住宅メーカーは大臣認定を受けた建材しか購入せず、認定製品を使っていれば建築確認手続きも簡略化できる。

毎日新聞 2008年1月8日 21時30分 (最終更新時間 1月9日 0時38分)

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