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健康
 2歳の子供がいます。最近シドニーに来ました。日本と予防接種のスケジュールが違うということで、ポリオの不足の分と日本でしていないHiBと髄膜炎の予防接種もやっとすませたところです。ところが、もう1つ「Prevenar」という肺炎菌の予防接種もあるということで、どうしたらいいのか戸惑っています。「Prevenar」について教えてください。
(36歳女性=主婦)

鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・プラザ・ファミリー・クリニック

メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて18年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる。


  「Pneumococcus(肺炎球菌)」に対する予防接種です。この菌による感染症が起こりやすい年齢層は5歳以下と65歳以上です。あるいは体の抵抗力を弱めるような病気を持っている人も感染するリスクは高まります。

 オーストラリアでは2002年で約2,200人の症例が発生し、そのうち約34%は5歳未満の幼児でした。700人ほどの幼児感染者から9人死亡者が出ています。この菌は浸襲性のものと非浸襲性のものがあります。

 浸襲性のタイプは肺炎、髄膜炎、敗血症などを起こします。非浸襲性のものは中耳炎や副鼻腔炎を起こします。「Prevenar」は、生後6週間から9歳までの子供を対象として使われる肺炎球菌に対する予防接種です。大人の場合は「Pneumovax」という予防接種が使われます。

 オーストラリアでの「Prevenar」の使用は主に5歳児までが対象ですが、05年の1月1日以降に生まれた赤ちゃんに対しては、無料接種のスケジュールに加えられます。2・4・6カ月の時にほかの予防接種と一緒にすることになります。なお、05年を通して03年1月1日から04年12月31日までの間に生まれた幼児に対して「キャッチアップ・プログラム」として無料で予防接種が提供されます。

  今現在でも、下記のカテゴリーに当てはまる場合は、注射液はオーストラリア政府が無料で提供しています。

・中央オーストラリア(Central Australia) に住む2歳未満の子供
・すべての2歳未満のアボリジニならびにトーレス海峡しょ島民
・5歳未満でも上記の住民で肺炎球菌感染症にかかるリスクの高い子供
・5歳未満で次のような危険因子を持っている場合;先天性免疫欠損、免疫抑制療法を受けている子供、脾臓が機能していない子供、HIV感染、腎機能低下、ダウン症、心不全などの心臓疾患、慢性肺疾患を持っている早産児、嚢胞性線維症(cystic fibrosis)、インスリン依存性糖尿病など。

 上記のどの分類にもあてはまらない場合でも任意で注射は受けられます。ただし Prevenar の在庫が現在少なく、なかなか薬局で入手できないような状況です。それに注射液1本が約145ドルもする高価な予防接種です。無料で注射液を受けられる年齢層でしたら、2005年まで待ったほうがいいかもしれません。

 なお、予防接種の回数は1回目に受けたときの年齢によって違います。

1回目の接種年齢 必要接種回数
1〜6カ月 3
7〜17カ月 2
18〜24カ月 1

 1回以上しなければならない場合、間隔は2カ月あけます。危険な副作用はまれです。発熱や注射部位の腫れなどが一番よくおこる副作用です。


*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9283-7646)、または郵送で「日豪プレス編集部・なんでも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答は致しませんので、ご了承ください。
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